令和の世に“新作”と共によみがえった「NEOGEO AES+」の実機に触れる ASICを再設計して高い互換性を実現

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2026年09月19日 16:11  ITmedia PC USER

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事実上、PLAION REPLAIブースはNEOGEO AES+専用ブースと化していた

 エス・エヌ・ケイ(※1)が1990年に世に送り出した「NEOGEO」は、業務用システム(MVS:Multi Video System)と家庭用ゲーム機(AES:Advanced Entertainment System)でプラットフォームを共有しており、家庭でも業務用クオリティのゲームを楽しめたことが特徴だ。


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(※1)現在の「SNK」(2001年に「プレイモア」として設立)とは別会社で、2001年に破産したエス・エヌ・ケイから知的財産権を承継した


 NEOGEOのデビューから36年が経過した2026年4月、オーストリアのPLAION(プレイオン)というゲームパブリッシャーが、家庭用NEOGEOのハードウェアを現代に復刻した「NEOGEO AES+」をレトロゲーム向け「PLAION REPLAI」ブランドのもとでリリースすることを発表した。これはSNKとの協業により実現したプロジェクトで、日本を含むコアなゲーマーからの注目を集めている。


 そんなPLAIONが、9月21日まで開催される「東京ゲームショウ(TGS)2026」にPLAION REPLAIとしてブースを展開し、NEOGEO AES+の実機を世界で初めて展示している。当初は11月12日に発売予定だったところ、2027年9月16日に発売日が延期されたばかりというタイミングも手伝ってか、ビジネスデイの2日間は国内外の熱いレトロハードファンが試遊する姿が途切れることはなかった。


●エミュレーションでもFPGAでもなく「ASIC」を作って高い互換性を確保


 少し前に流行した古いゲームを詰め込んだ「ミニゲーム機」は、スマートフォンやタブレット向けのプロセッサ(SoC)を搭載し、実際の動作は当時のハードウェアをソフトウェアでエミュレーションして行うものが多い。


 スマホ/タブレット向けのSoCは、古いゲーム機と比べて性能が高いため、エミュレーターを介した動作でも十分な性能を得られるが、それでもゲーム機で動かした場合と挙動が異なる面が出てしまうことがある。


 「ではNEOGEO AES+はどうやって実現したのか?」という話だが、実はソフトウェアによるエミュレーションでも、FPGAによる再現でもない。オリジナルのNEOGEOを再現したxASIC(特定用途向け集積回路)を、現代の半導体製造プロセスに合わせて“再設計”(再エッチング)して搭載している。


 これにより、NEOGEO AES+では往年の家庭用NEOGEOのカートリッジが“そのまま”動作する。逆に、今後製造されるNEOGEO AES+向けのカートリッジは昔の家庭用NEOGEO本体でも“そのまま”利用可能だ。担当者の言葉を借りれば「完全な双方向互換性」を備えている。


 その上で、NEOGEO AES+では本体のサイズも当時の家庭用NEOGEOと同一とした。当時の無骨なデザインや重厚な質感を忠実に再現したのだという。


●「HDMI出力」に対応しつつも「アナログAV出力」も温存


 映像出力面では、今どきのゲーム機らしくHDMI出力端子を備えている。最大で1080p(1920×1080ピクセル)の出力が可能で、出力時の遅延を極限まで抑えた仕様となっている。


 また、ブラウン管を使った古いTVやディスプレイとつなぐことを想定して、家庭用NEOGEOにもあった「アナログAV出力」も備えている。専用AVケーブルを別途用意すれば利用可能だ。


●他のインタフェース類も当時と同じ


 NEOGEO AES+は、家庭用NEOGEOと同じ15ピンコントローラー端子×2と、メモリーカードスロットを備えている。いずれも以前の家庭用NEOGEO向けのものを使うことが可能で、逆にNEOGEO AES+向けに製造されたものを家庭用NEOGEO本体につなぐこともできる。


 なお、一部のモデル(後述)には、通常のアーケードスティック(有線接続)の代わりに、新規に作られた「ワイヤレスアーケードスティック」が付属するモデルもある。コントローラー端子につなぐレシーバーと、コントローラー本体のいずれも日本国内で利用するのに必要な「技適など」の認証は取得済みだ。


●動作設定は「DIPスイッチ」で


 本体裏面にはDIPスイッチが備えられている。ゲームの言語選択やオーバークロック設定、表示モードの切り替えが可能だ。


●TGS2026では11タイトルで試遊可能


 TGS2026の会場では、NEOGEO AES+向けに発売(再生産)される「メタルスラッグ」「KOF 2002」「餓狼 MARK OF THE WOLVES」「サムライスピリッツ零スペシャル」など、10タイトルが試遊可能……ということになっていたのだが、会期初日に「ゼロウィング」(東亜プラン)がサプライズで追加されていた。


 「あれ、ゼロウィングにNEOGEO版あったっけ?」と疑問に思った人もいると思うが、その疑問は気のせいではなく、NEOGEO AES+の発売に合わせて、初めてNEOGEOに移植された。移植とはいえ、平成が過ぎ去り令和も8年を数えた今、まさかの“新作”の登場である。


 なお、カートリッジの直販価格は1本9980円で、かつての家庭用NEOGEOカートリッジよりも格安だ。


●NEOGEOの35周年を記念した「ホワイト」の本体も


 NEOGEO AES+のラインアップは、黒色の本体に有線式のアーケードスティックが1つ付属する「通常版」の他、ホワイトの本体にホワイトのワイヤレスアーケードスティック、そしてホワイトの「メタルスラッグ」とメモリーカードが付属する「Anniversary Edition」、そして通常版に黒色のワイヤレスアーケードスティック、ワイヤレスゲームパッド、ゼロウィングを除く10タイトルのカートリッジ、そしてカートリッジラックが付属する「Ultimate Edition」の3種類となる。


 オプション品を含む各種製品の価格は以下の通りだ。


・NEOGEO AES+(通常版):3万2800円


・NEOGEO AES+ Anniversary Edition:4万9800円


・Ultimate Edition:15万円(限定シリアルナンバー入り)


・ワイヤレスアーケードスティック:1万7200円


・ワイヤレスゲームパッド:8480円


・メモリーカード:5500円


・ゲームカートリッジ:各9980円


●レトロハードファンに贈るエンジニアリングの結晶


 NEOGEO AES+は、シリコンレベルのASIC再構築、低遅延HDMI出力とアナログ映像出力の両立など、エンジニアリングの観点から作り込まれたマシンといえる。


 自作PCやハードウェア構造を愛するPC USER読者にとっても、発売の遅延こそあったものの2027年の登場が非常に楽しみな1台になるはずだ。



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