犬猫用「ケーキ・おせち」が6年で売上1.9倍 ペット市場で進む「エサ→食事」の背景

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2026年09月20日 07:21  ITmedia ビジネスオンライン

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ペットの「食事」がここまで進化?

 「エサ」から「食事」へ。


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 近年、ペットの食事やヘルスケアが変化している。ペットの健康寿命を延ばしたいという飼い主の意向から「プレミアムフード」と呼ばれる高付加価値のペット用食品の需要が増加。犬用では年齢や犬種、健康状態に応じて商品の細分化・多様化が進み、猫用では健康ケアや高品質な素材を訴求した商品などが人気だという。


 特別な機会を一緒に楽しめる、犬猫用のクリスマスケーキやおせちも好調だ。ペット用品店やグルーミングサロンなどを運営するイオンペット(千葉県市川市)では、2025年の犬猫用の冷凍ケーキ・おせちの売上高が2019年比で1.9倍に伸長した。


 ペットの健康管理も進化している。ペット用製品を開発・販売するRABO(ラボ、東京都渋谷区)では、犬用・猫用それぞれの「スマート首輪」が好評だ。


 加速度センサーとAIにより、「歩行」「食事」「睡眠」などの日常行動を分析・記録し、異変があればアラートで知らせる。先行して2019年に販売した猫用の「Catlog(キャトログ)」は、国内外で累計6万匹が利用している。


 矢野経済研究所によると、2025年度のペット関連総市場規模は、前年度比2.1%増の1兆9504億円だった。2027年度には2兆円を超えると予測されている。“家族化”が顕著に進む「ペット市場」の変化を、イオンペットとラボに取材した。


●「ウェット・冷凍」が拡大 特別な日も一緒に


 イオンペットが展開するペットライフブランド「ペテモ」では、売上構成比の80%以上を「プレミアムフード」が占める。


 「当社では、20年以上前からプレミアムフードを販売していますが、市場全体での注目度が上昇したのは、ここ数年かなと。お客さまの意識が、『エサ』から『食事』へ変化していると実感しています」(イオンペット 商品本部 商品部 部長 竹原啓太氏)


 ペテモが扱うブランドのうち、プレミアムドッグフード専門ブランド「POCHI(ポチ)」は特に好調だ。2026年3〜7月の売上高は、2024年の同じ月と比べて2倍に増加した。POCHIは、マーケティングパートナー(東京都新宿区)が運営するブランドで、1998年に誕生した。


 一般的な「ドライフード」のほか、風味豊かな「ウェットフード」や「おかず」、犬の健康状態に配慮して栄養バランスを調整した「療法食」などをそろえる。ドライフードにウェットフードやおかずをトッピングするというコンセプトで、栄養バランスを整えながら、変化のある良質な食事を楽しめる設計が好まれている。


 近年は、冷凍タイプのペットフードも需要が増している。高価だが、冷凍することでウェットフードよりもおいしさを維持しやすいという。富士経済によると、国内の冷凍ペットフード市場規模は、2025年から2028年までの3年間で約1.5倍に拡大すると予測されている。 ユニ・チャームでは、9月1日に冷凍ドッグフード「Frecious Frozen(フレシャス フローズン)」を発売し、同市場へ参入した。


 ペットの「家族化」が浸透する中で、ペットと一緒にハレの日やイベントを祝う「ケーキ」や「おせち」の人気も広がっている。


 ペテモでは、2025年の犬猫用の冷凍ケーキ・おせちの売上高が2019年比で1.9倍に増加。昨年は、不二家とコラボしたクリスマスケーキ「ペコちゃんのXmasショートケーキ」(1848円)が特に好評だった。


 今年も、不二家とのコラボケーキを含む「クリスマスケーキ」8種、「オードブル」4種、「おせち」7種のほか、クリスマスから年末年始にかけて特別な食事を楽しめる「クリスマス&ニューイヤーグルメセット」7種を9月11日から予約販売中だ。


 価格は、2000〜4000円前後が中心だが、おせちは1万円を超えるものも。見栄えも工夫されており、ペットが食べる様子をSNSに投稿する人も多い。


●ペットの体調を見える化 「スマート首輪」も人気


 ペットの健康寿命への関心の高まりから、テクノロジーを駆使した高付加価値の製品も広がっている。2018年に創業したラボでは、「ペットとの限られた時間を後悔なく過ごしたい」という思いを持つ飼い主に向けて、犬用・猫用それぞれの「スマート首輪」を開発した。


 創業者の伊豫愉芸子(いよ・ゆきこ)社長は、大学や大学院で海洋動物などに小型センサーを付け、行動生態を調査するバイオロギング研究に従事した。そうした知見から、犬や猫の負担を抑えながら高精度の行動データを取得できる手法として、センサー付きの首輪を考案したそうだ。


 同社の首輪には、振動、傾き、直線運動などを検知する3軸加速度センサーが搭載されている。センサーから収集したデータを独自AIが解析することで、歩行、食事、睡眠、嘔吐、毛づくろいなどの行動に加え、体温変化と呼吸数も検知する。


 犬用には、散歩中の様子を分析する「散歩モード」とバイタルサインに変動が見られた時に通知を送る「留守番モニター」も搭載されている。


 それらのデータを基に、「寝付きの悪さ」「体温上昇・呼吸数の増加」などの体調変化を発見するとアラートで知らせる。「小さな生き物ゆえ体調変化を見逃しやすい。明らかな異変が出た後では、手遅れになることもある」と伊豫社長は指摘した。実際に、「病気を早期発見できた」という声も届いているそうだ。


●「かわいすぎる」「尊い」 SNSで大反響


 価格は、猫用の「キャトログ」が本体価格1万5180円、月額使用料980円、犬用の「Pawlinq(パウリンク)」が本体価格2万350円、月額使用料1180円となる。


 高額で新規性の高い商品だが、2019年に猫用を販売すると、早くからコアファンをつかんだ。「愛猫をより深く知りたい」という飼い主のニーズを捉え、SNSでの口コミが広がった。2024年末に米国、2025年秋にオーストラリアでも本格展開を開始し、これまでに3カ国で累計6万匹の猫が利用している。


 猫用を先行して展開し、2026年2月には犬用も発売した。早速、反響を得ているという。利用者のアンケートによると、健康管理や病気後の経過観察のほか、ペットの行動を純粋に楽しむエンタメ的な目的もあるそうだ。


 SNSでは、パウリンクを使い始めたユーザーが「行動記録がかわいすぎる」と紹介する投稿が大きな話題に。8月19日に投稿されたXの投稿は、26万の「いいね」が付き、インプレッションは約1930万に上っている(2026年9月中旬時点)。


 「こうしたバズは、以前からたびたび起こっています。『行動がかわいい』『尊い』といった声がよく聞かれます。今回の投稿の影響で、一気に品薄になってしまって。再販しても即座に売り切れる状態です」(ラボ 伊豫社長)


●需要増でも……「冷凍ペットフード」の課題


 ラボでは、早ければ年内にパウリンクの米国販売を開始予定だ。また、犬猫の膨大な行動記録データを保有している優位性から、国内外のペットフードメーカーや研究機関から問い合わせも舞い込んでいるという。


 「プロダクトもAIも自社開発、かつ市場を切り拓きながらの事業であり、難易度は高い。そのぶん先行者優位を得られ、手応えを感じながら日々取り組んでいます」と伊豫社長は期待をにじませた。


 イオンペットでは、「ヘルス&ウェルネス」のほか、近年売れ行きがいい「ペットカート」にも注力する。2025年4月以降、既存店舗内に「ペットカート専門売場」を増やしている。市場拡大が見込まれる「冷凍ペットフード」にも力を入れていくが、現状は課題が多いという。


 「市場が先行する米国では、日本の数倍の広さのペット用冷凍食品コーナーが店頭で展開されています。当社でも冷凍品を増やす予定はありますが、課題は『物流』と『家庭の冷凍庫事情』です。


 ペット用の冷凍食品は人間用との同時配送が難しく、必然的にコストが上がります。また、一般家庭の冷凍庫では、ペット用フードを多く保管する余裕がありません。これらの理由から、想定よりも冷凍市場が広がっていない印象です」(イオンペット 竹原氏)


 ペットフード協会によれば、2025年の犬の飼育頭数は約682万頭、猫は約884万頭だった。いずれも横ばいの状況だが、大事な家族の一員としてペットへの投資熱は高まっている。


(小林香織)



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  • ウチで飼ってた犬は犬用ケーキ食べてたから少しだけ食べてみたら全然甘くなかったな。同時に飼ってた文鳥は甘いものが好きだったけど(甘食や甘い果物が好きだった)
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