
《秋篠宮皇嗣殿下、次世代の悠仁親王殿下までの皇位継承は、これまでの儀式(立皇嗣の礼)や『皇室典範』により、既に確定しているということです》
9月5日、自身のXにこんなポストをしたのは高市早苗首相(65)だ。先の国会で成立した「皇室典範改正法」について「女性天皇への道を閉ざした」などの批判の声が高まっていることに対する反論だった。高市首相は本法の目的は「皇族数の確保」だとしつつ、冒頭のように主張したのだ。
これまで、記者会見や国会での答弁をできるだけ避けてきた高市首相。Xでの情報発信を強めているが、高市首相のXは「個人のアカウントによる投稿。行政文書ではない」(木原稔官房長官の7月23日の発言)というように、“私的”な意見表明に過ぎないと指摘されている。はたして、議員はどう考えるのか。話を聞いた。
■「堂々と説明できる自信がないからXで投稿した」
「国会という広く報道される公の場で、堂々と説明できる自信がなかったからこそ、公邸にこもって、8月だけで87件ものXを投稿したのではないでしょうか」
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高市首相の姿勢にこう疑義を呈するのは、立憲民主党政調会長の徳永エリ参議院議員(64)だ。先の国会で議論された皇室典範改正法の法案には、それまでの議論で出ていなかった「旧宮家の養子案の詳細」が条文に入れられた。参議院では、徳永議員ら多くの野党議員が反対票を投じたが、与党が数の力で押し切り、可決したという経緯がある。
「女性天皇の実現を容認する国民の声が8割超あるなか、法案成立直後の世論調査では、改正皇室典範を評価しない声が多く、内閣支持率も低下しました。 あのXは、それに対する言い訳なのか、あるいは『私はこれだけのことを成し遂げたんだ』という自己評価を高めたい意図が、高市首相にはあったのだと思います」
■「記念式典で感じた首相の品格の欠如」
そもそも高市首相は、4月29日に開催された「昭和100年記念式典」に、天皇皇后両陛下が臨席されたにもかかわらず、天皇陛下がお言葉を述べる機会を設けなかった。
「過去にも高市首相は、国会で、今上の天皇陛下を『こんじょう』と読もうとしたり、皇室に対する姿勢に非常に疑問が残ります。同式典には私も出席しておりましたが、昭和100年という節目の式典で『大戦への反省を天皇陛下に言われたくない』という思いから、陛下のお言葉の機会を高市首相が設けなかったのではないかと、考えています」
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そばで見ていた徳永議員は、高市首相の所作に「式典における抑制と敬意、つまり首相としての品格が決定的に欠如していた」と感じたという。
一方で、「愛子さまを皇太子に」という署名活動が、署名サイト「change.org(チェンジ・ドット・オーグ)」で展開され、7月8日には集まった7万9210人分の署名簿が、徳永議員と杉尾秀哉参議院議員(68、立憲民主党政調会長代行)に手渡された。
「署名簿を、本当に重いものとして受け止めました。世論がどう動いているかを評価するうえで、この署名は明確な民意の証明です」
皇室典範は法律だが、最高法規である日本国憲法の第1条に天皇の地位が「日本国民の総意に基く」と明記されていることを踏まえ、徳永議員はこう指摘する。
「天皇は国民統合の象徴です。つまり日本人のシンボルに愛子さまがふさわしいという期待は、世論調査でおよそ8割が女性天皇を容認していることや、今回の署名簿の重みからも明らかです。憲法第1条の『国民の総意』とはなにかと、私たちは国会で厳しく問うていかなければなりません」
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愛子天皇の実現に必要なのは、「皇室典範の再改正を目指すことです」と徳永議員は断言する。
「今回、皇室典範改正案に賛成してしまったほかの野党議員のなかから、国民の反対の声を受けて『やっぱり反対すべきだった』という声が漏れ聞こえてきます。改正皇室典範には、検討条項が盛り込まれました。『適時適切な見直し』に向け、熱い思いを持ちながら、再改正を訴える運動を継続していくことが必要です」
今年8月、リヒテンシュタイン公国は、国家元首を務める公爵位の継承順位を、これまでの男子限定を改め長子優先とすることに決めた。これにより、欧州のすべての立憲君主国で女性にも継承権が認められることになった。
「私たちは安定的・持続可能な皇位継承のため、男系男子にこだわらずに議論を進めていきます。世界の潮流は『女性だから』『男性だから』と言っていた時代から様変わりしました。先進国のなかで、日本だけが古い慣習や男尊女卑のような考え方にこだわり続けてはいられない。『世界のなかの日本』という視点を持つべきです。つまり『本来の男女平等社会が実現すれば、みなさんの願う愛子天皇は確定します』と私は答えます」
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