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ベルギーのルーヴェン・カトリック大学や中国の浙江大学などに所属する研究者らが発表した論文「Temporal patterning of trigeminal nerve stimulation gates hippocampal plasticity across species」は、独自のリズムで顔の神経を電気刺激する手法が、記憶の定着に与える影響を調査した研究報告だ。
頭蓋骨を開けずに、顔の皮膚の上から神経(三叉神経)を電気で刺激する認知機能への応用が研究されている。これまで医療現場などで使われてきた機器は、一定の強さで絶え間なく電気を流し続けるものが一般的だった。
しかし、脳が記憶を定着させる自然なプロセスには、刺激だけでなく休止のリズムが重要と考察。研究チームは、短い刺激と長めの休みを繰り返す新しい方法を提案し、ラットと人間の両方でその効果を調べた。
まずラットを使った実験では、提案方法(1秒刺激+29秒休止を繰り返す三叉神経刺激)を5分間与え、脳の奥にある海馬の反応を90分記録した。
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その結果、提案方法は、従来の連続する刺激と比べて流す電気の総量が15分の1しかないにもかかわらず、海馬の神経細胞同士のつながりが強く保たれ、細胞の活動も活発になることが確認された。
この効果は、脳幹の青斑核を薬剤で抑制すると消失した。青斑核は海馬にノルアドレナリンやドーパミンを送る部位で、断続的な刺激がこの経路を通じて神経細胞のつながりを強めているとみられる。
次に、この新しい刺激のリズムが人間の脳でも同じように働くかを確かめるため、治療のために脳の深部に電極を留置している患者(てんかん患者9人)の協力を得て調査が行われた。顔面に非侵襲の刺激電極を装着し、 電気を1秒流して29秒休む、を20分間くり返した。
結果、人間の海馬や視床といった深い部分でも脳波の反応が起き、さらに記憶の処理に関わるとされる海馬特有の脳波のリズム(シータ波とガンマ波の連動)が一時的に強まることも分かった。
次に、健康な成人36人を対象に、初めて見る顔写真・名前・職業をセットで覚える記憶テストを行った。参加者には皮膚の上に貼るパッチ電極2枚を、三叉神経下顎枝の走行に沿って顔面に配置した。
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その結果、新しい刺激方法を与えたところ、同じ参加者が別の日に偽の刺激を受けたときと比べて、20分後に職業を思い出す確率が向上した。
このとき頭皮から測定した脳波を調べると、集中や記憶の維持に関わる前頭部の脳波(ベータ波やガンマ波)の低下が抑えられていた。そして、この脳波の状態を保てている人ほど、テストの成績もよい傾向が見られた。
Source and Image Credits: Chen, L., Sun, Q., Guo, X., Wu, H., Asamoah, B., Ye, W., Seminck, N., Huang, H., & Mc Laughlin, M. (2026). Temporal patterning of trigeminal nerve stimulation gates hippocampal plasticity across species [Preprint]. medRxiv. https://doi.org/10.64898/2026.08.25.26361320
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