画像はイメージです(以下同)これまで3000人以上の男女の相談に乗ってきた、恋愛・婚活アドバイザーの菊乃です。髪もボサボサで化粧もしない“完全なる非モテ”から脱出した経験を活かし、多くの方々の「もったいない」をご指摘してきました。誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。
今回は、「裕福な環境で育ったお嬢様が、婚活で陥りやすい困難」がテーマです。
◆婚活6年で300万円超かけた、36歳のお嬢様
相談にやってきた沙織さん(仮名・36歳)は、婚活歴6年目でした。
出会いが減ったのは30歳のころ。そこでマッチングアプリを始めました。彼氏ができたこともありましたが、2カ月ほどで連絡が取れなくなることが続いたといいます。
そこで31歳のころ、大手結婚相談所に入会しました。
「結婚相談所はどこも同じだと思ったし、独身証明書を提出するなら、マッチングアプリより安心だと思った」ものの、担当者からのサポートが少ないと感じ、数カ月で退会することに。
次に、別の大手結婚相談所に入会しましたが、何人かとお見合いをしても交際にはつながらず退会しました。
さらに、SNSで知った男性仲人が運営する個人の結婚相談所へ。「男心が分かる人のほうがいいと思った」そうですが、ここも合わないと感じ、ほどなく退会しました。
そして4社目に選んだのが、「高収入男性との結婚」を支援する、女性仲人が運営する結婚相談所。入会金30万円以上、月会費は2万円。洋服の買い物同行など、オプションメニューも豊富な相談所で、現在も在籍しています。
ですが、真剣交際直前まで進んだ男性側から断られたこともあり、「このままではいけない」と思ったそうです。
私のところに相談に来るまでに、婚活に投じた金額は、洋服代なども含めると300万円以上になっていました。
◆親名義の高級マンションに暮らす
私は少し不思議に思いました。沙織さんの仕事は事務職で、年収は400万円台。東京・目黒区で一人暮らしをしています。
婚活だけで300万円以上を使うとなると、かなり大きな金額です。デートで着ている服も、高級ブランドではないものの婚活女性に人気のブランドで、ワンピースなら1着3万円ほど。
収入に対して、婚活にかけているお金が大きいのです。
話を聞いていくと、その理由が分かりました。
「家は父が所有するマンションなので、家賃がかからないんです。ファミリータイプなので、結婚後も今の家に住めたらと思うんですけど、それを伝えた男性から引かれたこともあります」
◆医師ばかりに申し込み「高望みと気づきませんでした」
沙織さんのお父さんは、病院を経営していました。
婚活を始めたころ、沙織さんは医師の男性にばかり申し込んでいたそうです。しかし、当然ながらなかなか会えません。そこで、歯科医、弁護士、公認会計士も対象にしましたが、うまくいきません。
その後は「年収1000万円以上で大卒なら、仕事はあまりこだわらない」と条件を広げ、最近は「年収700万円以上」で探しているそうです。
「今の結婚相談所の人から、かなり人気の男性ばかり狙っていたことを指摘されて、やっと気がついたんです。お相手はもっとバリキャリ女性や、若い美人さんとも会えるわけですよね。別に高望みしていたつもりはなかったんですけど」
沙織さんは小学校から私立で、周囲にも裕福な家庭の子が多い環境で育ったそうです。
有名大学を卒業しましたが、やりたいことがないため就活は難航し、現在は一般企業で事務職をしています。
医学部を目指せるほど勉強ができたわけでもなく、経済力があるキャリア女性でもない。それでも、育ってきた環境から、生活水準と男性に求める理想は高い。ここが、沙織さんの婚活の難しさにつながっていました。
◆「普通」の基準が同じ相手を選びやすい
多くの人の婚活を見ていると、相手探しには興味深い傾向があります。
一つは、人は自分が育ってきた「普通」や「当たり前」が近い相手を選びやすいこと。
もう一つは、自分と似た属性の相手を、避けたがることことです。
沙織さんは、「子どもができたら私立に入れたい、習い事もさせたい」ため、相手はある程度の高収入を求めています。
ところが、親の会社を継いだ経営者やマンション経営など不動産で高収入を得ている男性は、あまり好みません。「たくましさがない」からだそうです。
沙織さんが好むのは、会社員としてバリバリ働いている男性。そして、自分はそんな男性を支える家庭を築きたいと考えています。
彼女自身は「実家が太い」のに、似た属性の男性は避けたいわけです。ところが、普通の家庭で育った男性からすると、沙織さんは「お金のかかる生活を好む女性」に見える可能性があります。
◆「好きなお店は磯丸水産、ガスト」と庶民アピール
そこで沙織さんなりに、これまでお見合い相手に「庶民派」をアピールしてきたそうです。
「ブランド物はもともと好きじゃないから持ちませんし、好きなお店を聞かれたら、『磯丸水産』や『ガスト』と答えています」
「ボーナスはどうしている?」と聞かれれば「貯金」と答え、「これまでで一番高い買い物は?」と聞かれれば「乾燥機付き縦型ドラム洗濯機」と答えていたそうです。こうした質問は、男性が女性の金銭感覚を探るためにしているのでしょう。
ただ、私は沙織さんにこう伝えました。
菊乃「お金の使い方が堅実だと思ってもらえたとしても、娘のためにファミリータイプのマンションを買うような親がいる女性と家族になることに、躊躇する男性はいると思いますよ。
子どもの教育方針も住む家も決まっている。でも相手の希望だってあると思いませんか」
沙織さん「だから、話し合っていこうと思うんですけど」
◆結婚生活のイメージは2人で決めていくもの
これまでも沙織さんなりに、相手と結婚観のすり合わせはしてきたそうです。
ただ、男性側は「子どもが欲しい」「共働きがいい」といった程度で、まだ具体的なイメージがない人も多い。その段階で、女性から、住まいや子どもの教育方針まで決定事項のように伝えられると、徐々に熱量が下がっていくのです。
菊乃「現在の、親所有のマンションに住み続けてたいというのは、同居ではないにしても沙織さんの実家の影響が強くなりますよね。二人で話し合って決めたわけでもないのに、理想の結婚生活をプレゼンされているように感じる男性もいると思います。
それと、沙織さんが考えている結婚の理想って、親御さんの期待も入っていませんか?」
沙織さん「そうですね。ちょっと私の親は過干渉かもしれないです」
菊乃「男性は、結婚したら自分の居場所がなさそうな家庭になりそうだと感じたら、離れていきますよ」
沙織さんは今後、実家の稼業を継いでいる男性なども、対象に入れることを検討するそうです。
沙織さん「たくましさとか言っている場合じゃないんですよね。私も、そんなにたくましいわけじゃないですし」
育ってきた環境も、親から受けてきた影響も、自分では当たり前すぎて気づきにくいものです。社会を知って、自分を客観視する――婚活とは、その過程でもあるのです。
(※個人が特定されないよう脚色してあります)
<文/菊乃>
【菊乃】
恋愛・婚活アドバイザー、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt