限定公開( 22 )

3Dプリンターで制作した非金属性のナイフを飛行機内に持ち込めるか――。そんな危険な“挑戦”が波紋を広げている。
発端となっているのは、10月2日に3Dプリンター工作の動画を投稿しているチャンネル登録者数12万人超のYouTuber「てんの遊び場【3Dプリンター】」が公開した動画。「【3Dプリンタ】カード型ナイフならバレずに飛行機内に持ち込める?!」と題した30秒のショート動画で、実際の制作行程や空港での様子を公開した。
カード型ナイフとはあまり聞き慣れないが、クレジットカードほどのサイズ、薄さの板を変形させてナイフとして使用するものを指し、ネットショップなどでもサバイバルツールとして販売されている。今回の動画によると、カード型ナイフは3Dプリンターで2時間ほどで完成したといい、投稿者は、「2つのパーツを組み合わせて、カード型ナイフ!パッと見はプラスチックカードだけど、折り曲げるとナイフに変形する仕組み」と説明した。
そして、これを航空機内に持ち込むというのだ。動画では「金属製ではないから、手荷物検査で引っかからないはず。少し不安だけど、いざ出発!」とのナレーションが入ると、外資系航空会社の機内で撮影したカットに切り替わったのだが、投稿者の手には3Dプリンターで制作したものと同じカード型ナイフが。続けて、こんな得意気なナレーションが挿入された。
「簡単に持ち込みできちゃったー!」
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動画を見ただけでは、切れ味などカード型ナイフの危険度は確認できないが、そもそも国内線・国際線問わず「刃物」の機内持ち込みは厳禁。実害を起こす意図がなくとも、危険物をめぐって運行スケジュールに多大な影響を及ぼす可能性があり、’24年に北海道・新千歳空港の制限区域内にある店舗でハサミが紛失した際には、保安検査のやり直しのため、発着便の遅れや欠航が相次ぐ事態に発展したこともある。
“安全な空の旅”を脅かしかねない今回の動画。7日時点で動画は500万回再生を超えるほどの反響を呼び、Xでは以下のような批判の声が上がった他、動画のコメント欄はYouTube側に通報したという視聴者の声であふれた。
《こういうの発信しないで欲しいな…これで人が傷つく事件とか事故起きる原因になりそうで怖い》
《こんなんYouTubeに流しちゃダメでしょ》
《は?こんなもん動画にしたらどうなるのか想像も出来ないのか?》
《試すなよこんなもん…。マジで洒落にならんわ》
なお、今回の動画には空港で撮影されたカットもあり、東京発(成田空港)、メキシコシティ行きの案内板表示が確認できたが、機内のシーンなど全てが同じ旅程で撮影されたものかは動画だけでは判断できない。ただ、仮に日本の空港の保安検査を通過し、カード型ナイフが機内に持ち込まれたとなれば、飛行機の運行に関わる全ての関係者にとって重大な問題だ。
そこで本誌が7日、国土交通省航空局に対して問い合わせたところ、担当者は動画を把握していると説明。ただ、現時点で動画の真偽が定かではないとして、担当者はあくまでも一般論として、「ナイフの材質、刃渡りなどサイズを問わず、機内にお持ち込みいただくことはできません。お預け手荷物に入れていただくことになります」と話した。
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いっぽう、担当者は動画をめぐって、「空港の保安検査に対する誤解を生みかねず、模倣犯を誘発する恐れがあるため、必要な対応を取っていく方針です」とも説明。今のところ「てんの遊び場」からは何のコメントも出ていないが、今回の騒動をどのように受け止めているのだろうか。
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