銀行員が見た“年収1000万円超でもお金で破綻する人”の共通点。「年収が高い=お金に強い」ではない

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2026年10月12日 09:21  日刊SPA!

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※写真はイメージです(画像生成にAIを使用しています)
「年収1000万円を超えていれば、お金に困ることはない」
そう思っている方もいるかもしれません。しかし銀行員として約20年間、多くのお客様のお金に関する相談を受ける中で、私は何度もその逆のケースを見てきました。

年収1000万円を超えているのに、貯金がほとんどない人。高い年収を前提に大きな住宅ローンを組み、収入が少し減っただけで返済に苦しむようになった人。

決して、収入が少なかったわけではありません。むしろ、一般的に見れば、かなり高い収入を得ていた人たちです。

それでも、お金の使い方や住宅ローンの組み方によって、家計が一気に苦しくなってしまうことがあります。

銀行員時代に多くのお客様を見てきて、私が強く感じたことがあります。

「年収が高いこと」と「お金に強いこと」は、まったく別の話です。そして本当に怖いのは、今の高い年収がこの先もずっと続くと思って、生活水準や固定費を上げてしまうことです。

今回は、実際に私が銀行員時代に見てきたケースをもとに、年収が高い人ほど陥る可能性がある「お金の落とし穴」についてお話しします。

◆事例� �年収1000万円超なのに貯金がほぼない人

銀行員時代、年収1000万円を超える会社員のお客様から家計について相談を受けたことがあります。

年収だけを聞けば、かなり余裕のある生活ができそうに思えます。

ところが、実際に資産状況を確認すると、預貯金はほとんどありませんでした。

理由は、収入が増えるたびに生活水準も上がっていたからです。

年収が上がると、より広い家に住み、車も買い替える。子どもの教育にもお金をかけ、旅行や外食の回数も増えていきました。

一つひとつを見れば、決して無茶な支出には見えません。

問題は、それが積み重なっていたことです。

特に大きかったのが、住宅ローンや教育費など、簡単には減らせない支出でした。毎月の給料だけでは足りず、ボーナスが入ると住宅ローンやカードの支払いでほとんど消えてしまう。

年収は1000万円を超えているのに、思ったほどお金が残らない状態になっていました。

そして怖いのは、一度上げた生活水準は、簡単には下げられないことです。収入が高い間は、それでも家計は回ります。

しかし、残業代やボーナスが減るなど、収入が少し落ちただけで状況は一変します。

「これだけ年収があるのに、なぜお金が残らないんだろう」

そんな相談を受けながら私が感じたのは、家計を安定させるのは年収の高さだけではないということでした。

どれだけ稼いでいても、その収入に合わせて支出まで膨らませてしまえば、お金は残りません。

むしろ高収入だからこそ、「これくらいなら払える」という感覚が、少しずつ家計を苦しくしてしまうことがあるのです。

◆事例�◆Ч蘯�入を前提に住宅ローンを組みすぎた人

もう一つ、銀行員時代に何度か目にしたのが、高い年収を前提に住宅ローンを組みすぎてしまうケースです。

住宅を購入するとき、多くの人が現在の年収を基準に「いくらまで借りられるのか」を考えます。

年収が高ければ、金融機関から借りられる金額も大きくなります。すると、「これだけ年収があるなら、このくらいの住宅ローンは返せるだろう」と考えてしまうことがあります。

実際、私が相談を受けたお客様の中にも、高い収入を背景に高額な住宅を購入した方がいました。

購入した当初は、返済に困っていたわけではありません。毎月の給料が入り、ボーナスもある。住宅ローンを返しながらでも、十分に生活できていました。

ところが、その前提が崩れます。

転職などをきっかけに、収入が以前より減ってしまったのです。

収入は減っても、住宅ローンの返済額は基本的に変わりません。さらに教育費や生活費など、ほかの支出もあります。

それまで問題なく払えていた住宅ローンが、収入が減った途端、家計にとって大きな負担になりました。

最初は外食や旅行を減らすなど、生活費を切り詰めることで何とか返済を続けていました。

しかし、それでも追いつきません。それまで貯めていたお金を住宅ローンの返済や生活費に充てるようになり、貯蓄もみるみる減っていきました。

教育費など、簡単には削れない支出もあります。以前は高い年収を得て、何不自由なく暮らしていたはずなのに、いつの間にか毎月の住宅ローンの返済を心配する生活に変わっていました。

そして最終的には、家族で暮らすために購入した自宅を手放すことになりました。

さらに厳しかったのは、家を売ればすべて解決するわけではなかったことです。

売却価格だけでは住宅ローンを完済できず、家を手放したあともお金の問題が残りました。

高い年収を前提に組んだ住宅ローンによって、収入が減ったときに家計だけでなく、それまで築いてきた生活そのものを大きく変えざるを得なくなったのです。

銀行員としてその状況を見ながら、私は「年収が高いから大丈夫」という考え方の怖さを強く感じました。

◆銀行員として痛感した「年収が高い=お金に強い」ではない

銀行員として約20年間、多くのお客様を見てきて感じたのは、「年収が高い=お金に強い」ではないということです。

年収1000万円を超えていても、収入に合わせて生活水準を上げれば、お金は残りません。

さらに怖いのは、今の高い年収がずっと続く前提で、住宅ローンなどの固定費を増やしてしまうことです。

転職や会社の業績によって収入が減る可能性があるだけでなく、変動金利で住宅ローンを組んでいれば、金利上昇によって返済負担が増える可能性もあります。

つまり、「収入が減る」「支出が増える」が同時に起こることもあるのです。

だからこそ大切なのは、「今の年収ならいくら使えるか」ではなく、「もし収入が減ったり、住宅ローンの負担が増えたりしても、この生活を続けられるか」という視点です。

年収の高さより、環境が変わっても生活を守れる家計をつくる。銀行員として多くのお客様を見てきたからこそ、それがお金で人生を破綻させないために大切なことだと感じています。

<文/渡辺智>

【渡辺智】
某メガバンクに11年勤務。リテール営業やプライベートバンカー業務を経験。その後、外資系保険会社で営業。現在は金融ライターとして独立。FP1級保有。難しい「お金の話」をわかりやすく説明することをモットーにしています。公式SNS(X)は、@watanabesatosi7

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