
相次ぐ情報漏えい。ここ2週間あまりで、6800万件以上の個人情報が流出したおそれがあります。理由のひとつと指摘されるのが“日本語の壁”の崩壊です。イギリスの専門家がAIによって日本が「より魅力的な標的」になっていると警戒を呼びかけました。
便利さの裏に潜むリスク “日本語の壁”崩壊でサイバー攻撃急増東京・浅草のお好み焼き店「浅草 つる次郎」。外国人観光客にお好み焼きを持って行き、店員はスマホの翻訳アプリを使って説明をしています。
外国人にとっても日本人にとっても今や欠かせない「翻訳機」。
――日本語は難しいですか?簡単ですか?
オーストラリアからの観光客
「とっても難しいです。聞き慣れないので認識できないんです。ヨーロッパの国ならラテン語ベースで英語に似ているので単語を拾えますが、日本語は初めてなので、勉強しないと…」
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オランダからの観光客
「(翻訳機は)命の恩人です。翻訳機がなかったら(旅行は)不可能だったと思います。今も使っていますしね」
時代とともになくなりつつある“日本語の壁”。日本人にとって良い面もありますが、一方で、今、急増している日本企業などへのサイバー攻撃は、その“壁”が崩壊したことが背景にあるといいます。
続々標的「日本をより魅力的なターゲットにしている」12日もヤマハ発動機が不正アクセスによって会員約1600人分の個人情報が流出したおそれがあると発表しました。
ユーザーのコミュニティサイトを運営する委託会社に不正アクセスがあったということです。
イギリスの防衛安全保障研究所で、サイバーテクノロジーを研究するマッコール上級研究員は、こう指摘します。
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RUSI・英王立防衛安全保障研究所 ジェイミー・マッコール 上級研究員
「日本のような国では、歴史的にみても(企業との)交渉が難しい。しかし、AIの登場で多くの言語で即座に交渉することができるようになった。それが日本という国をより魅力的なターゲットにしてしまっている」
先週もブックオフやJR東日本などが被害を受け、ここ2週間あまりだけでも最大6800万件以上の個人情報が流出しています。
日本にも影響及ぶ AI発達で脅威増す「ランサムウェア攻撃」“日本語の壁”がくずれたことによって脅威が増しているのが、「ランサムウェア」=身代金要求型のウイルスでの攻撃です。
ランサムウェア攻撃とは、ハッカーが攻撃対象のパソコンに侵入し、ファイルを暗号化して乗っ取り、使えなくします。その暗号を解除する見返りとして、身代金(ランサム)を要求する手口です。
2025年9月には、国際ハッカー集団「Qilin」によってアサヒビールが攻撃を受け、一時工場などが停止する事態にまで発展しました。
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RUSI・英王立防衛安全保障研究所 ジェイミー・マッコール 上級研究員
「身代金を要求するには、攻撃を加えた企業と交渉して支払いに合意させたり、データを盗んだ証拠を提示したりする必要がある。そのためにはコミュニケーションをとれなければならない」
こうした交渉のためのメールなども、AIが日本語で生成し、返信まで自動でおこなってくれるため、これまで標的になりにくかった日本にも影響が及んでいると話します。
喜入友浩キャスター
「Qilinと名乗るハッカー集団をご存じですか?先週、彼らに取材することができた…」
RUSI・英王立防衛安全保障研究所 ジェイミー・マッコール 上級研究員
「本当ですか?」
先週「Qilin」は、私たちの取材に「日本は世界最悪のコンピューターセキュリティ体制を持つ国のひとつだ」と指摘していましたが…
RUSI・英王立防衛安全保障研究所 ジェイミー・マッコール 上級研究員
「興味深い。(日本の)多くの企業がインターネット上でサービスを提供するようになるにつれ、攻撃にさらされるリスクは増し、攻撃も増えることになる」
藤森祥平キャスター:
今までは日本語の独自性や難しさが世界の壁になっていたんですね。
教育経済学者 中室牧子さん:
受け取ったメールの日本語が不自然なことによって、「詐欺・偽物じゃないか」と気づけていましたが、AIで翻訳や文章作成の能力が飛躍的に上がったことで、偽物・詐欺だとしても気づきにくくなっています。
これからは2段階認証したり、SMS・メールに届くリンクにアクセス・ログインしない。お金や個人情報を要求されたら、一旦やりとりを止めて別経路で確認するといった対策も必要だと思います。
