「水害は恐ろしい」 崩れ落ちた道を進み、たどり着いた孤立集落

6

2024年09月25日 20:36  毎日新聞

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

毎日新聞

能登豪雨の影響で、孤立している石川県能登町北河内地区に向かう途中の道路は崩れ落ちていた=同町で2024年9月24日午前9時3分、島袋太輔撮影

 能登豪雨で、石川県警は25日、輪島市久手川(ふてがわ)町の塚田川などで新たに2人の遺体が見つかったと明らかにした。これを受け犠牲者は10人となった。また、輪島市の海岸付近でも男性の遺体が見つかった。県警などは、豪雨との関連を調べている。


 一方、能登町の北河内地区は、周囲からの孤立状態が解消されていない。


 地区は能登町の中心部から北西10キロほどの場所にあり、輪島市に隣接している。記者は24、25の両日、地元の消防団員らに同行して山道を歩いて現地に入った。


 ひどく壊れた道路の上を歩き、崩れ落ちた斜面の縁を進む。3メートルほどの崖をロープを使って乗り越えなければならない場所もあった。倒木で塞がれた場所では、泥水でぬかるんだ獣道から回り込んだ。


 約1時間かけ、4キロほどの道を歩くと住宅が集まったエリアに出た。川沿いにある田んぼに植えた稲が氾濫でなぎ倒され、田んぼに向かう橋も崩落している。おびただしい数の流木が折り重なっている。


 地元住民によると、元日の地震では停電と断水が続き、山の地下水でしのいできた。だが、豪雨の影響で地下水も使えなくなったという。地震でけが人はいなかったが、今回は河内川の氾濫に住宅が巻き込まれ、足首を骨折するなど2人がけがをしたという。


 「地震よりも被害が大きい。水害は恐ろしい」。こう嘆くのは区長の池田光正さん(74)だ。相次ぐ災害に地区から住民が離れていくことを心配し、「これからどうすればいいんだ……」と言葉少なだった。


 支援物資の保管場所として、自宅の寺院を提供している竹橋祐美子さん(69)は「困った時はお互い様。ここの地区はみんな家族のような存在なので、助け合うしかない」と話した。【島袋太輔、阿部弘賢】



このニュースに関するつぶやき

  • 恐ろしくない「水害」って存在しないよね。だって、災害は結果で決定されるわけで・・。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(4件)

ニュース設定