「裁判にものすごく時間がかかっていて、裁判所は申し訳ないと思っています」裁判長が姉・ひで子さんに謝罪 「袴田事件」で無罪判決

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2024年09月26日 19:09  TBS NEWS DIG

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58年前、静岡市清水区で一家4人が殺害されたいわゆる袴田事件で死刑が確定している袴田巖さんの再審=やり直しの裁判で、静岡地裁は袴田さんに無罪判決を言い渡しました。判決では、捜査機関による証拠のねつ造を認定しています。

記者
「袴田巖さんに無罪判決という旗がでました。袴田巖さん、無罪判決です」

午後4時すぎ、静岡地裁前に掲げられた「無罪」の旗は、半世紀以上闘い続けた袴田さんたちの「勝利宣言」です。

袴田巖さんの姉 ひで子さん
「皆さんの応援のおかげです。本当に長い間、ありがとうございました」

死刑判決から44年、いわゆる「袴田事件」はついに逆転無罪という展開を迎えました。

袴田事件は、1966年、静岡市清水区でみそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして、袴田巖さんの死刑が確定したものです。袴田さんは判決確定後も無実を訴え続け、去年3月、東京高裁が再審を認めました。

きょう午後2時から始まった再審の判決公判で、静岡地裁は袴田さんに「無罪」判決を言い渡しました。今回の判決で驚かされたのが、捜査機関による証拠のねつ造を認定した点です。

袴田事件弁護団 小川秀世 弁護士
「重要な証拠について、ねつ造があるとはっきりと示したという意味では、画期的な判決だったと思っている」

再審で最大の争点となっていた犯行着衣とされる「5点の衣類」。

付着していた「赤い血痕」について、▼検察側はみそ漬けされても血痕の赤みが残る可能性はあるとして、死刑を求刑した一方、▼弁護側は「捜査機関によってねつ造されたものだ」と無罪を主張していました。

きょうの判決では、1年以上、みそ漬けにされた場合は血痕に赤みが残るとは認められないと指摘、「捜査機関によって血痕をつけるなどの加工がされた」とまで言及しました。

袴田巖さん取り調べの録音テープ
「4人殺した犯人だぞ」

また、捜査機関による取り調べについても、ねつ造であると認定しました。

警察の連日にわたる長時間の取り調べで、袴田さんは犯行を自白していましたが、この取り調べについてきょうの判決では、袴田さんに精神的苦痛を与え供述を強制する非人道的なもので、実質的なねつ造だとしています。

公判の最後、國井恒志裁判長は出廷していた姉・ひで子さんに謝罪しました。

國井恒志 裁判長
「自由の扉は開けました。この裁判にものすごく時間がかかっていて、裁判所は申し訳ないと思っています」

「巖さん、いいことがあったって、今、連絡来ました」
「さあて」

判決が出た直後、袴田さんは日課の散歩に出かけました。

袴田さんは、長年にわたり拘置されたことで精神的に不安定な状況が続いていて、きょうの詳しい判決内容は姉のひで子さんが直接、伝える予定です。

捜査機関のねつ造が指摘されたきょうの判決について、静岡地検の小長光健史次席は「判決内容を精査して、適切に対処をしていきたいと考えています」とコメントし、控訴するかどうかについては明言を避けました。

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  • 申し訳ないと思っています。裁判官が嘘を言うとは思いませんでした����ʴ򤷤��������ʴ򤷤��������ʴ򤷤����
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