救急外来で医師「脚立やハシゴの事故ってこんなに多いのか…」 ゾッとする体験談が続々「ここまで危険だとは」

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2024年10月03日 07:30  まいどなニュース

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高齢者がバランスを崩して…と言う事故が多発(Andrey Popov/stock.adobe.com)※画像はイメージです

 高い場所に置いたものを取るときや、電球を替えるときなど、家庭でも脚立を使うことがありますが、想像よりもずっと事故が多いことを知ってほしいと投稿された「山本健人(Takehito Yamamoto, 外科医けいゆう)」(@keiyou30)医師のポストが注目されています。

【動画】脚立・ハシゴからの転落事故を再現…その「あと少し」が危険です!

「医師になって救急外来を担当した時に痛感したのが、
『脚立やはしごの事故ってこんなに多いのか…』
ということです。
大きな外傷も多く、緊急手術に至った事例も少なからず見てきました。
すごく重要な動画なので、ぜひ見てほしいと思います。」

 こんなコメントとともに紹介したのは、「国民生活センター」(@kokusen_ncac)が制作した脚立やハシゴの事故をスタントマンが再現した動画です。段ボール箱を持って脚立に立ったり、木に立てかけたハシゴからバランスを崩して投げ出される姿は、スタントマンだと知って見ていてもドキドキします。

 リプ欄には、実際に怪我をした人や事故を目撃した人たちから体験談が続々と寄せられました。

「近所のおじさんも木の手入れで脚立使って落っこちて、しかも低いけど崖の上にあるおうちだったから骨盤骨折してた」
「先日、まさに実家の父が掛け時計の電池を換えようとして台から落下、救急搬送で入院手術となりました…」
「まさに先週、電球付け替えで椅子から落ちて腕にあざ、頭もぶつけたのでCT検査しました。特に一人でいるときの作業は危険だと痛感しました😿」
「忘れていましたが、私も5才の時、椅子の上に鉛筆を持ったまま乗って、蛍光灯の紐を引いて消そうとして転倒。左目と鼻筋の間に刺さって、残った芯を整形外科で抜いた事がありました。今回、改めて自分自身思い出して、子供達にも凄く注意しました。」
「数年前、ご近所で脚立で庭木の剪定をしていた方が、後ろに倒れて後頭部を強打して亡くなりました」

 動画を見て「まさかここまで危険だとは思っていなかったです」という人も。国民生活センターは特に高齢者の事故が多いとし、「一人きりでの作業はやめ、高所での作業は専門業者に依頼しましょう!」と呼びかけています。

ハシゴ等による労働災害は、墜落・転落災害の原因の中で最多

 山本医師にお話を聞きました。

──救急外来を担当されていたとき、脚立やハシゴの事故で運ばれる人がそんなに多かったのですか?

 厚労省のデータを参考にすると、ハシゴ等による労働災害は年間4535人に起こっていて、墜落・転落災害の原因の中で最多(約23%)となっています。病院に搬送されてくる件数というと病院によって異なるので正確には難しいですが、3次救急救命センターで勤務していた頃は、年に数回、脚立やハシゴなどからの重傷の転落事故を見ていたと思います。

※参照:厚生労働省「はしごや脚立からの 墜落・転落災害をなくしましょう!」

──骨折や頭を打つなどのほか、亡くなった人もいらっしゃるとコメントがありました。

 こちらも厚労省のデータを参考にすると、怪我をする人のうち骨折が約3分の2を占め、重篤な災害につながりやすいことがわかります。毎年30人弱の労働者がはしご等からの墜落・転落で亡くなっています。

──そんなに…。運ばれてきた方に共通する脚立の使い方などあるのでしょうか。

 脚立の天板に乗る、脚立にまたいで乗る、といった不適切な使用が問題となるケースが多いと思います。また荷物を持ちながら脚立を降りる際にバランスを崩すケースもあります。

──まさに動画のような感じなのですね。

 事故を防止するために必要なことは、
 ・脚立やはしごを使う際は適切な使用法で
 ・脚立やはしご以外の方法を探す
ぜひお気をつけいただければと思います。

 ◇ ◇

 国民生活センターによると、労働現場だけでなく家庭での脚立やハシゴの事故も多く、頭蓋(がい)内損傷や脊髄(せきずい)損傷、大腿(たい)や骨盤骨折などの重篤なけがを負った事例もみられるそうです。

 脚立は一番上の天板に乗ったりまたいだりせず、天板から2段目以降(210センチ以下の脚立の場合)に乗って作業します。また、ハシゴは必ず補助者が支えます。使い方に思い込みがあるかもしれませんから、取扱説明書に目を通してから使うとよさそうです。さらにヘルメットも着用しておきたいですね。60〜70歳代の事故が多いというデータがありますから、60歳上以上の方は特に「剪定であれば造園業者、電球の交換などは身近な若年者に依頼するなど検討してください」。

■山本健人(Takehito Yamamoto, 外科医けいゆう)医師
 著書『すばらしい人体』『すばらしい医学』では、人体・医学の興味深い歴史や体の機能とともに、事故や人体への脅威について解説しています。
 『すばらしい人体 あなたの体をめぐる知的冒険』(Amazon) 
 『すばらしい医学』(Amazon)

■国民生活センター
「思わぬ大けがに!高齢者の脚立・はしごからの転落−医療機関ネットワークからみる危害の実態−」 
 「リーフレット『くらしの危険』」 

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)

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このニュースに関するつぶやき

  • そんなの医者にならんでも知ってるよ(笑)だからこそ、賢い親は子供を危険な職業にさせたくないから中受だのと、勉強を頑張るんだよ。職業差別はしてないけど長生きしてほしいから
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