採血で医療用手袋つけたら…患者「私の血が汚いと!?」←看護師と院長の対応に22万人が共感「血液は便より汚い…」「バイオハザードです」

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2024年10月17日 06:50  まいどなニュース

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採血時、手袋を着用するのは常識では…?(Zblaster/stock.adobe.com)※画像はイメージ

先日、看護師のきくこ(@u6dlcmZ5okfwVN1)さんがX(旧Twitter)に投稿した、とんでもない受診者とのやり取りが話題となり、約22万のいいねがついた。

【話題になった投稿】実際の投稿を見る

「採血しようと医療用手袋つけたら、『私の血が汚いとでも!?』って言う受診者さんに初めて遭遇した…。噂には聞いてたけど、都市伝説的存在だと思ってた…。『その通りです』って普通に続行したけど」

「血液は『感染源』!あなたを守るためでもあるの!」

毅然とした態度で採血を続行したきくこさんは、その後の顛末を続けて投稿。

「(受診者は)さらに院長にもチクったらしいけど、『あったりまえでしょう!血液は感染源ですよ!ってか、看護師の手に前の人の血液付着してたり、看護師が指先に怪我してたらあなたにも人の病気がうつるの!あなたのためでもあるの!』って大説教されてしゅーんとしてた。やるじゃん院長」

きくこさんの投稿に対して、Xには多くの反響が寄せられた。

「自分に勇者の血でも入ってるのかってぐらい自信満々すぎる」
「手袋無しで医療行為なんて見たことないですけどね…」
「注射器の使い回しで国が肝炎感染の賠償してるの知らないんだろうな…」
「バイオハザードですよね」
「血はウ◯チより汚い、介護士やってる妻の言葉です」

「ウチの母は祖母(実母)の入院中、手にあか切れがある状態で祖母の血痕を知らずにティッシュで拭き、C型肝炎に感染したらしい…」

「以前、転けたご年配の方を救急車に乗せる際、手に相手の血液が付いたんですが、救急隊の方が消毒してくれました」

「出血した人を素手で触るのはダメと介護の講習会で教わりました。飲酒チャリで転倒出血した爺がいた時、素手で触ろうとした人がいたので止め、手袋がなかったのでビニール袋を手にはめてもらいました。救急隊員にお礼を言われました」

「クリーニングも、『血液が付着したものは受けてはいけない』と保健所から指導されてる。それを言うと、クリーニング屋のくせに!とか言ってくる客がいる。(血液は危険物だと)世の中に周知されて欲しい!」

「血液」は危険←医療の基本

また、医療関係者からも共感の声が殺到した。

「人間の中でいちばん汚いのは血液。医療入って最初に教えてもらったことです」

「学生の時、先生に言われた。おしっこと血液飲めと言われたら間違いなくおしっこ飲むよって。ビックリしたけど、勉強したらすごくわかった」

「手術で患者の血液浴びてC型肝炎かかって亡くなった若い外科医を思い出します」

「血液が付着したものは『特別産業廃棄物』という特殊な扱いで、運搬も処分場も特殊だし許可申請も大変。アンプルが手にぶっ刺さった時も、即仕事中断で検査と経過観察になったからなぁ。怖い怖い」

院長の話は聞く。でも看護師や事務には「キレる」

きくこさんは北フランスでの在住経験を持つ看護師。現在は日本在住で、勤務先も日本の病院。ポストに登場する受診者は日本人男性だという。

もし受診者が、「なぜ手袋をするの?」と冷静に質問をしていれば、きちんと説明していた、と投稿していたきくこさん。

「ただ、この手の最初から好戦的な受診者さんは、看護師や事務がきちんと丁寧に説明するとなぜか『口答え』ととらえ、もっとキレるのです。院長の話は聞くのに…」

「補足しておくと、確かにどうしても血管が見えないと手袋を外して採血する時はあります。ただそれは”仕方なく”であって、本来はするべきではありません」

(きくこさんのXの投稿より)

今回ポストした「血液」の取り扱いについて、きくこさんにお話を聞いた。

ほとんどの受診者さんは「協力的」です

ーー血液の危険性について、「その通りです」と毅然とおっしゃった様子に共感の声がたくさん寄せられましたね。

「受診者の方は私がへりくだってペコペコ謝罪すると思っていたようで、『その通りです』と答えた私の言動が予想外だったのか、ぽかん…とされてました。残念ながら私の外見は気が弱く見えるようで、昔からこういうことによく遭遇するんです。だから悲しいかな、こういう敵意のある受診者さんの対応に慣れていると言えば慣れています。

でももちろん、ほとんどの受診者さんは協力的で優しい方ばかりです。そのことはぜひ追記しておいていただきたいです。むしろ少数派だから目立つんですよね……。ちなみに実際の私の中身は、フランス人の夫に『フランスにも君ほど気の強い女はいない』と言われるほどです(笑)」

ーー今回の投稿に対して、医療関係者の方々の経験談なども寄せられましたね。

「リプライの数々は私にとっても勉強になりました!また、『自分は医療の知識は全くないけど、血液を素手で触ってはいけないことくらいなんとなくわかる』という方も多く、これは日本の教育レベルがかなり高い証拠じゃないかな?なんて勝手に誇らしくなりました(笑)」

血液を含む「体液」は絶対に直接触らないで

ーー「血液」の危険性について、改めて伝えたいことはありますか?

「ポストに書いた院長の言葉がすべてなのですが……血液に限らずすべての体液には病気の感染リスクがあります。この対策を医療用語で、『スタンダードプリコーション』というのですが、この感染対策は医療者側だけでなく、むしろ受診者さん(患者さん)を守るためでもある、ということをご理解いただけたら嬉しいなあと思います」

ーー事故や怪我など、「他人の血液」に触れる可能性がある場合、気を付けるべきことはありますか?

「他人の血液にはとにかく『触れない』ことが第一優先です。やむを得ない時も、出来るだけ直接触らないよう、ビニール袋などを使うことをおすすめします。万が一血液に触ってしまったら、速やかに手を石鹸と流水で洗い、自分の手に傷などが無ければアルコール消毒も行ない、その後、必ず医療機関にかかってほしいです。早めに受診すれば対策も立てやすいです」

ーー医療機関にかかれば大丈夫ですか?

「実は、その時は平気でも、肝炎などの潜伏期間は半年以上あったりします。その検査結果を待つ間は精神的にも辛いですし、もちろん感染してしまっていたら、長い一生、ずっと治療していかなければならず、もっと辛いです。やはり基本は、『体液は直接触らない』が徹底される世の中になると良いなあと願っています」

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ リュウ)

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  • 血液からの感染症対策を知らない人もいらっしゃるのか。>病原菌やウィルス以外にも、血液の取り扱いには慎重になるのは、そのためです。
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