大接戦といわれたアメリカの大統領選挙。ふたを開けてみると、トランプ氏の圧勝に終わりました。再び始まるトランプ政権は、いかに世界を変えていくのでしょうか。
【写真を見る】大接戦の予想から一転、トランプ氏の圧勝なぜ “若者離れ”に物価高への不満 注目集まる今後の人事【サンデーモーニング】
接戦予想から一転 トランプ氏圧勝で”政権奪還”当選が確実となった後、SNSに投稿された「トランプファミリー」の写真には、前政権で要職を務めた長女のイヴァンカ氏やその夫のクシュナー氏が写っています。さらに、実業家のイーロン・マスク氏の姿もあります。
11月6日(水)未明、まだ開票作業が続く中、勝利宣言は行われました。
共和党 トランプ前大統領
「誰も見たことがないような政治的勝利だ。アメリカ国民にとって壮大な勝利であり、我々はアメリカを再び偉大な国にできる」
|
|
事前には大接戦といわれていましたが、フタを開ければトランプ氏の圧勝。2016年にクリントン氏を破った際は得票数では260万票も下回りましたが、今回は400万票も上回ったのです。
こうした中、シカゴのトランプタワー近くでは、抗議デモが発生。分断の深さも垣間見えましたが...
民主党 ハリス副大統領
「アメリカの民主主義の基本原則は、選挙に負けたらその結果を受け入れるのです」
ハリス氏は支持者の前に姿を現し、敗北を受け入れようと呼びかけました。さらに若者らに向かって…
ハリス副大統領
「私たちの自由のための戦いには大変な努力が必要でしょう。あなたには力があります。そして誰かが『前例がないから不可能だ』と言っても決して耳を貸してはいけません」
|
|
ハリス氏の支持者
「大統領を引き継ぐのにこれほど、ふさわしい人物はいませんでした。大きな失望と損失です」
別のハリス氏の支持者
「(ハリス氏が)4年後に戻ってくることを期待しています」
一方で、若者にはバイデン政権のイスラエル寄りの姿勢に反対する人も多く、ハリス氏が票をまとめ切れなかった一因とされます。
若者の票をめぐり、トランプ陣営が取った戦術について専門家は…
同志社大学大学院 三牧聖子 准教授
「マイノリティ、女性の社会進出に危機感を抱くような男性、(トランプ氏が)そうした危機感を煽ることによって、やはり社会の中心は男性なんだというトランプ陣営のメッセージが若者にも届いていて、今回の選挙では非常にジェンダーの分断が顕著になった」
さらに有権者からは、暮らしを直撃する物価高に強い不満の声も上がっていたのです。
|
|
トランプ氏に投票した男性
「アメリカ国民は犯罪や物価高にうんざりしている。経済政策はトランプ氏が勝利した最大の争点」
トランプ氏に投票した女性
「物価が上がっているでしょ。夫はここ50年で、ここまで物価が悪い年はなかったと言っている」
そうした中、選挙戦を制したトランプ氏は…
トランプ前大統領
「アメリカは、我々に前例のない強力な権限を与えてくれた」
まさに強力な権力を手に入れたトランプ氏。注目はそれを動かす人事です。
トランプ前大統領
「新しいスターの誕生だ、イーロン!」
トランプ氏はすでに、選挙を支援したイーロン・マスク氏を行政改革の要職に起用することを示唆しています。
マスク氏は電気自動車大手「テスラ」のCEOで、自動運転に関する規制緩和など、自らの事業に有利になるよう政策を立案する可能性があります。
トランプ氏は、選挙対策本部長を務めた側近、スーザン・ワイルズ氏を政権の要「大統領首席補佐官」に起用することを発表。CNNによると、ワイルズ氏は引き受けるにあたり、トランプ氏に「大統領執務室で、面会する人物を(自分に)管理させること」を条件としたといいます。
今は自らの邸宅「マール・ア・ラーゴ」にこもり、人事の構想などを練っているとされるトランプ氏。次の一手が注目されます。
(「サンデーモーニング」2024年11月10日放送より)