韓国の尹錫悦大統領による非常戒厳宣言。捜査が進む一方で、国中を巻き込んだ混乱は、年末商戦を前にした韓国経済にも暗い影を落としています。
記者
「ソウルにある大統領府の前です。尹大統領の誕生日を祝う花が置かれています」
64歳になった尹大統領。きょうも捜査機関の出頭要請には応じませんでした。一方で弁護士を通じ、弾劾審判では「法廷で堂々と所信を披露する」と明らかにしています。
大統領に対する前代未聞の捜査と裁判が進む中…
記者
「非常戒厳による混乱の長期化で、経済への影響が懸念され始めています」
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こちらは、ソウル観光の人気スポット「明洞」。訪れていた外国人観光客に話を聞くと…
アイルランドの観光客
「非常戒厳は韓国に来る前に聞いていました。韓国に来るのがとても怖かったです」
日本人観光客
「(心配は)多少ありました。旅行なのにどうしようかと思いました」
広がる不安。懸念されているのが、外国人観光客の減少です。タッカルビが売りのこちらの飲食店では、すでに影響が出ているということです。
飲食店店主
「戒厳令宣言後、特に近くの日本や中国の方から来る旅行客が確実に減ったようです」
実際、7年前には朴槿恵元大統領に対する弾劾の影響もあり、外国人観光客が2割以上減少しました。今回は非常戒厳宣言の混乱で国内には自粛ムードが広がり、消費全体の冷え込みも懸念されています。
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ある調査では、宣言以降に飲食店などを営む小規模自営業者の9割近くが「売り上げは減少した」と回答。年末商戦を前に、国会議長は国民に異例の呼びかけをしました。
国会議長(14日)
「キャンセルした忘年会の再開をお願いします。自営業者はあまりにも厳しい状況にあります」
非常戒厳をめぐる混乱が収束するまでにはまだ時間がかかりそうで、韓国は厳しい年末を迎えることになるかもしれません。