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茨城県古河市立中学校の男性教諭(当時47歳)の自殺を巡り妻(55)が市に損害賠償を求めた訴訟に関連し、妻が17日、さいたま市内で記者会見を開いた。妻は「和解後も市は重大な過失を軽視し、責任を受け止めようとしていない。誠心誠意の謝罪を強く願う」と訴えた。
水戸地裁下妻支部の1審判決によると、男性は吹奏楽部顧問として2015年以降、長時間労働や連続勤務が続き、部内でのトラブルもあって16年にうつ病を発症し、17年に自殺した。判決は校長の安全配慮義務違反も認め、市に約1億円の支払いを命じた。東京高裁での控訴審で8日、賠償金7000万円で和解が成立した。
妻は「夫は美しい音を奏でて演奏者も聞き手も幸せになる音楽を目指して身を粉にしていた」と回想。「結果は和解だが、夫の死は明らかに長時間労働が原因だ。和解は歩み寄りではない」と強く主張した。
代理人の金子直樹弁護士は「高裁も安全配慮義務違反を認定しているが、市側は会見で過失相殺を強調し、男性の責任を恣意(しい)的に主張している」と市側の対応を非難し、14日付で抗議文を提出した。
市は8日の会見で「男性の過失が4〜5割相当と判断され双方が歩み寄った」と和解理由を説明。遺族への謝罪などは考えていないと述べていた。【堀井泰孝】
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