フジテレビは、港浩一社長が17日に「2025年1月度定例社長会見」を行い、この内容を同日付でサイト上で公開した。
【写真】会見を行った港浩一社長 同会見は、中居正広のトラブルをめぐる同局の対応を踏まえて、実施されたもの。一部週刊誌報道を受け、中居側は、女性とトラブルがあったことを認めた上で、「双方の代理人を通じて示談が成立し、解決していることも事実です」としている。
フジテレビ関係者についても報じられているが、同局は「内容については事実でないことが含まれており、記事中にある食事会に関しても、当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません」としている。その上で、フジ・メディア・ホールディングスに対し、米投資ファンドが第三者委員会の設置を求めるなど、局としての説明責任の声が高まっていた。
フジテレビは、2月に予定していた社長定例会見を前倒して対応。参加メディアは、記者会加盟社に限られた。こうした経緯から、ORICON NEWSでは、サイトで公開された約2500字全文を掲載する。質疑応答部分については公開されていない。
■2025年1月度定例社長会見(2025.1.17)
この度、一連の報道により、視聴者の皆様を始め、関係者の皆様に多大なご迷惑・ご心配をおかけしていますこと、および、現在まで弊社から説明ができていなかったことについて、お詫び申し上げます。
今日までにいただいたご意見・ご批判については、真摯に受け止めております。ここまで、報道で指摘されたことの事実関係や、会社の対応が十分だったのかなどについて、昨年来、外部の弁護士の助言を受けながら社内で確認を進めてきました。本日は、それを踏まえてのご説明をさせていただきます。
一方で、第三者の視点を入れて、あらためて調査を行う必要性を認識しましたので、今後、「第三者の弁護士を中心とする調査委員会」を立ち上げることとしました。こちらについては、後ほどご説明させていただきます。
なお、本日は、これまでの私どもの認識についてご説明させていただきたいと考えておりますが、調査委員会の調査に委ねる事となり、社長の私自身も今後調査を受ける立場となるため、この場での説明には限りがございます。その点、どうかご理解たまわりたくお願い申し上げます。
あわせて、改めて申し上げておきたいことがございます。この件は、当事者の女性が事案に関して直接的な発信はされておりません。当社も個人の特定に繋がるような発信は避けるべきだと考えています。具体的かつ詳細の説明には限りがございます。また、当事者間の示談の守秘義務があることから、私たちが把握した内容に限界もあることもご了承ください。
プライバシーの保護や人権を尊重していきたいというのは、事の発端から今現在に至るまで、私どもの変わらぬ思いです。このため、どうかご理解たまわりたくお願い申し上げます。
まず、弊社は、発端となった事案について、直後に認識しておりました。2023年6月初旬となります。女性の様子の変化に気づいた社員が声をかけ、話を聞いたところ、当事者2人の間の場で起きた極めてセンシティブな領域の問題でした。女性の体調面の状況把握が第一と考え、医師の診断を受けていただきました。
医師は診断後、速やかに別の専門医に相談。以降、その専門医の指導に基づき対応していく事となりました。当時の判断として、事案を公にせず、他者に知られずに仕事に復帰したいという女性の意思を尊重し、心身の回復とプライバシーの保護を最優先に対応してまいりました。この件は、会社としては、極めて秘匿性の高い事案として判断していました。
中居正広氏について申し上げます。先ほど申しましたように、まずは女性の心身のケアを最優先に努めておりました。それゆえ、会社として中居氏への正式な聞き取りを含めた調査に着手することは、より多くの人間がこの件を知る状況を生むため、女性のプライバシーが守られなかったり、女性の意思が十分尊重されないのではないかという点で、大きな懸念がありました。当時の対応が適切だったかどうかにつきましては、今後調べていただきたいと思います。
一方、事案からしばらくして、中居氏から、女性と問題が起きていると連絡がありました。詳しくは申し上げられませんが、中居氏の事案についての認識も確認しておりました。その後、両者で示談の動きが進んでいるとの情報も聞いておりました。
中居氏が出演している番組『だれかtoなかい』については、唐突に終了することで憶測が生じることを懸念して、慎重に終了のタイミングをはかっておりました。プライバシーを守ること、体調面の配慮、中居氏側の認識、示談が進んでいたことなどから、番組については難しい判断がございました。
なお、女性から相談を受け、日々向き合っていた社員を非難する一部報道もありましたが、私はそうは思っておりません。限られた社員が連携して日々対応しておりましたが、報告は私まで上がってきておりましたので、対応に関する判断は私の責任となります。
私としては、随時、報告を受けながら、とにかく心身の安全を最優先する方針で対応してきたつもりでありました。
一方で、女性が私たちの想いとは別の受け止め方をされているという年末からの一部報道があり、今となっては対応が適切だったのかどうか、と思うところもあります。
私からは一旦以上となります。ここまで申し上げてきたことは、現時点で私が確認をしている概要となりますが、一連の対応についての事実関係については調査結果を待ちたいと思います。会社の責任を矮小化するつもりはなく、そのために「第三者の弁護士を中心とする調査委員会」に調査を行っていただきます。そこでは私の判断も含めて徹底的に調査していただきたいと思っています。
いずれにしましても、出演者、取材先、取引先などの関係性については、改めて誠実に向き合い、社のコンプライアンスガイドラインの徹底に一層努めてまいります。
では、続きまして、今後の調査について、常務の石原よりご説明させていただきます。
■石原常務
今回この調査委員会は、社長の港も調査を受ける立場になっていることもあり、私の方から説明いたします。今回の件につきましては、昨年来、外部の弁護士に助言を頂きながら調査をしてまいりましたが、このたび、新たに「第三者である弁護士を中心とした調査委員会」を発足させ、体制をさらに強化して調査・検証を行うことにしました。専門性、独立性の高い弁護士の方に調査をしていただき、調査結果がまとまりましたら、速やかに公表してまいります。
なお、調査委員会の調査が想定されるポイントの1つとして上げさせていただきますが、例えばですが、本件食事会と弊社社員の関与の有無がございます。これについて、当該社員の聞き取りのほか、通信履歴なども含めて調査・確認を行った結果を受け、弊社ホームページにおいて見解をお伝えしました。中居氏が出した声明文においても、当事者以外の者、すなわち中居氏と女性以外の第三者が関与した事実を否定しています。ただこの点につきましても、調査委員会の調査に委ねたいと思っております。