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横浜市鶴見区のアパートで2018年、同居女性の長男(当時4歳)を暴行し死亡させたとして、傷害致死罪などに問われた横浜市緑区の元配管工、内田正也被告(32)の裁判員裁判の判決で、横浜地裁は21日、無罪を言い渡した。
検察側は懲役12年を求刑していた。吉井隆平裁判長は「被告の暴力によって傷害が生じたものとは認められない」と判断した。
被告は17年9月に同居女性の長男、紺野叶志郎ちゃんの額を殴ってけがをさせ、18年1月に頭や首へ強い力を加えて急性硬膜下血腫などの傷害を負わせて死亡させたとして起訴されていた。被告は公判で一貫して無罪を主張していた。
判決は、複数の医師の証言から、叶志郎ちゃんが気道閉塞(へいそく)などの何らかの要因により心肺停止状態になったと認定。その結果、急性硬膜下血腫が生じた可能性があるとして「外力によらずに生じた合理的な疑いが残るといわざるを得ない」と結論付けた。
また、17年9月に被告が叶志郎ちゃんの額を殴ったとする暴行については、暴行した日を特定できないなどとして認定しなかった。
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検察側は公判で「叶志郎ちゃんの頭部に揺さぶりのような外力が加わった」と指摘。被告の説明は不自然で信用できないなどと主張していた。弁護側はソファからの転落などの理由で死亡したと反論していた。
被告は県警に22年8月に逮捕された。判決後、代理人の弁護士は「弁論で述べたことが認められて、適切な判決だった」と話した。
横浜地検の塩沢健一次席検事は「判決内容を精査し、適切に対応したい」とコメントした。【宮本麻由、横見知佳】
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