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フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株式をグループで7%超保有する米投資ファンドのダルトン・インベストメンツは22日、第三者委員会の設置や全てのメディアを対象とした記者会見を開くことなどを求めた2度目の書簡をフジ・メディアHDに21日付で送った。
この日、同社の日本語公式サイトでも長文で書簡内容を公表した。
タイトルは「真の第三者委員会の設置と信頼回復に向けた再度のお願い」。冒頭では、17日に行われた港浩一社長(72)ら役員5人による会見内容について、「バーチャルな車の衝突事故と言うべきものでした」と怒りをあらわにした。そして「今回のような危機をどのように処理すべきでないかを教えてくれました」と皮肉を込めつつ、「フジ・メディア・ホールディングス・グループには深刻なコーポレート・ガバナンスの欠陥があります。今、皆さまが引き起こした騒動は、明らかに収束しそうにありません」と苦言を呈した。「書簡では、外部有識者のみで構成される第三者委員会の早急な設置を求めました」と明かした。
さらに「中居氏の明らかな行動によって引き起こされた騒動について事実関係を徹底的に解明し、このような事態が2度と起こらないよう、今後の改善策を策定するためのものでした。視聴者とスポンサーの信頼を維持することは、公共性の高いビジネスの価値の中心であり、したがって、この問題への対処が遅れたり、対処方法が曖昧になったりすれば、視聴率の低下やスポンサー離れを招き、株主価値を損なうことは避けられないと警告しました」と、日本を代表する50社以上ものスポンサー離れを招いたことを問題視した。
そして、会見への不手際な対応にも怒りの声を上げた。「港社長の記者会見では、なぜ限られたメディアしか参加させなかったのか、なぜ大手テレビ局であるフジテレビはテレビ取材を許可しなかったのか、なぜ港社長は質問のほとんどに答えなかったのか、という疑問が残りました」と首をひねった。そして「フジテレビが日弁連ガイドラインに基づかない第三者委員会を発足させようとしたことは、意図的な真相隠蔽(いんぺい)、経営陣のホワイトウォッシングを図った疑いが自動的に生じることを意味します」と断罪した。
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会見への不満はさらに続き、「これでは、第三者委員会と呼ばれるものの信頼性は最初から損なわれてしまいます。フジテレビへの信頼を回復するどころか、記者会見とそこで述べられた今後の方針案は正反対の効果をもたらし、すでに脆弱(ぜいじゃく)なフジテレビの評判をさらに悪化させてしまいました。加えて、港社長は会見前に親会社と話したことを認めています。従って、このような曖昧模糊(もこ)とした対応は、フジ・メディア・ホールディングス・グループの隠蔽体質を露呈しているとしか思えません」と糾弾した。
そして最初の書簡と同様に、「株主として、私たちは今なお憤りを感じており」と非難。解決策として「これ以上の株主価値の毀損(きそん)を容認することはできません。フジ・メディア・ホールディングスとフジテレビに対し、以下のことを要求します」と今週中に再び、港社長による記者会見の開催を求めた。
さらに会見時には、<1>テレビカメラだけでなく、すべてのメディアが参加できることとする、<2>設置される第三者委員会についての詳細4点の確認、<3>調査の範囲は中居氏の件に限らず、不正の証拠があれば他の件にも広げる、<4>少なくとも今年6月に開催されるフジ・メディアHDの定時株主総会の1カ月前までには、調査結果と最終報告書を公表する、という4つの条件も盛り込んだ。
最後には物言う株主らしく、「警告」も忘れなかった。「私たちは、フジ・メディア・ホールディングスとフジテレビが、このような誤ったスタートを切った後でもなお、この問題に真摯(しんし)かつ前向きに取り組む姿勢を示すことで、信頼と信用を回復できることを期待しています」と願った。一方で「そのような結果が得られない場合、定時株主総会は必然的に取締役会の能力と誠実さについて、株主による投票を要請することとなります。株主は黙ってはいません」と、嵐の株主総会になることを予告した。
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