容疑者「怖くなり海に捨てた」　交際巡りトラブル　伊豆大島遺体損壊

　東京都大島町（伊豆大島）で2024年、知人女性の遺体を損壊したなどとして、警視庁捜査1課は24日、同町元町2の畳店経営、柳瀬宗達（そうたつ）容疑者（45）を死体損壊と死体遺棄容疑で逮捕した。柳瀬容疑者と女性の間には交際を巡るトラブルがあり、警視庁は女性が死亡した経緯についても事情を知っているとみて調べている。

　逮捕容疑は24年9〜10月、大島町内で札幌市出身の飲食店アルバイト、高瀬静香さん（37）の遺体を何らかの方法で損壊し、島南部の「砂の浜」海岸に遺棄したとしている。

　捜査関係者によると、柳瀬容疑者は「自宅で高瀬さんが死亡しており、怖くなって畳を保管する倉庫の付近で遺体を損壊して海に捨てた」と供述し、容疑を認めているという。

　警視庁は22日から自宅などの関係先を家宅捜索しており、供述と矛盾がないか裏付けを進めている。

　高瀬さんは19年夏に大島町を訪れ、飲食店で約3年間働いていた。その間に柳瀬容疑者と知り合い、交際していたとされる。

　23年9月には、柳瀬容疑者が交際トラブルを警視庁大島署に相談。高瀬さんは直後に島を離れたが、その後も何度か島に戻り、柳瀬容疑者と会っていたとみられる。24年5月にも、柳瀬容疑者から署に交際トラブルの相談があったという。

　この年の10月23日、「砂の浜」海岸で、住民が太ももや背骨など白骨化した人の遺体の一部を発見。骨には切断された痕や焦げたような痕があった。

　警視庁が島民らの安否確認を進めたところ、高瀬さんが直前の9月に島を訪れた後、行方不明になっていたことも判明。DNA型鑑定で身元を高瀬さんと特定した。

　高瀬さんは9月12日に島を離れ、沖縄旅行に向かう予定だった。前日朝、柳瀬容疑者の自宅のWi―Fi（ワイファイ）に接続し、携帯電話で離島するフェリーのチケットを予約していたという。その直後から足取りが途絶えたとされる。

　伊豆大島は都心から南に約120キロ離れ、人口は約7000人。伊豆諸島最大の島で、中央部に位置する三原山が火山活動を続けている。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】