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山口市の椹野川沿いの市道で2024年11月、車椅子に乗っていた市内に住む川崎一摩さん(当時73歳)が車にはねられて死亡した事件で、自動車運転処罰法違反(過失運転致死アルコール等影響発覚免脱)と道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた同市黒川の飲食店経営、虎谷聡被告(45)の初公判が24日、山口地裁(安達拓裁判官)であった。虎谷被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
起訴状などによると、虎谷被告は昨年11月10日午前2時45分ごろ、山口市穂積町の最高速度が時速30キロと定められた市道で時速60キロで乗用車を運転し、車椅子に衝突。川崎さんを河川敷に転落させて、外傷性ショックで死亡させ、飲酒運転の発覚を恐れて逃げたなどとされる。
検察側は冒頭陳述で「被告が経営する居酒屋で友人や後輩らが参加する専門学校の同窓会があり、被告は営業後に店内で、午後11時半以降から翌日午前2時ごろまで友人らとビールや焼酎を飲んだ」と指摘。「代行運転を利用する金を惜しんで車を運転した」と主張した。
検察側は、川崎さんの姉の陳述書の一部を読み上げ、「犯人には厳しい処罰を求めます。せめて通報してほしかった。あんなに寒くて暗い中1人で苦しみながら死んでいったと思うと、かわいそうでかわいそうで。一摩くんのことを一生忘れないでほしい。償ってほしいと思います」と述べた。【小澤優奈】
<被害者の姉の陳述書の一部>
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犯人には厳しい処罰を求めます。せめて、通報してほしかった。あんなに寒くて暗い中1人で苦しみながら死んでいったと思うと、かわいそうでかわいそうで。せめて即死だったらと思います。想像してしまうので、事故の詳細を聞きたくありません。まだ一摩くんの死を受け入れきれていないんだと思います。
寅さんみたいに、ふらっと帰ってきてくれるんじゃないかと思ってしまう。(被告に)言いたいことは一つです。一摩くんのことを一生忘れないでほしい。償ってほしいと思います。
※取材メモを基に作成
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