労使の代表が出席する「経団連労使フォーラム」が31日に東京都内で開かれ、2025年春闘が本格化してきた。労使ともに大幅賃上げの定着を目指す方針を改めて表明。物価上昇が続く中、雇用の約7割を占める中小企業まで賃上げの勢いを波及させられるかが課題となる。
経団連の十倉雅和会長は冒頭のあいさつで「賃上げは事業の発展と継続に不可欠な『人への投資』だ」と強調。中小の賃上げ原資を捻出するための価格転嫁については「供給網全体での取り組みが必要不可欠だ」と呼び掛けた。
労働組合の中央組織、連合の芳野友子会長は講演で、大幅賃上げを「今年だけでなく来年以降も継続し、定着させたい」と訴えた。その上で、企業規模による格差是正が必要として「中小企業では大企業を上回るか、せめて同程度の賃上げが望ましい」と語った。
経団連労使フォーラムであいさつする経団連の十倉雅和会長=31日午前、東京都千代田区