フィギュアスケート女子でジュニアグランプリ(GP)シリーズの出場経験を持つ吉岡詩果(22=アクアリンクちばSC)が22日、現役最後の演技を終えた。
拠点のアクアリンクちばで開かれたフェスティバルに出演。最終滑走で思い入れのある演目「エリザベート」を、笑みを絶やさずに舞った。故障の影響でジャンプは回避したが、シットスピンやスパイラルで見る者を魅了し「リンクに入った時から、たくさんの声援を送ってくださって『本当に幸せだな』『もう終わっちゃうんだな』という気持ちが、半分半分でした」と感慨深げに振り返った。
18年にはジュニアGPシリーズのオーストリア大会で3位。千葉・植草学園大付高2年時には全国高校総体(インターハイ)を制した実力者だが、近年は度重なる故障に悩まされた。
現役ラストシーズンの今季は2年ぶりの全日本選手権出場を目指したが、予選会となった東日本選手権フリーの2本目のジャンプで転倒。数秒間滑走ができず、大会後の11月には右膝蓋(しつがい)骨の骨折で手術を行った。医師の「滑るだけなら…」という言葉を支えに、12月下旬に氷上へ復帰。だが、転倒は許されないため、リンク脇の壁を持ちながらの滑走だった。
25年1月の日本学生氷上選手権も欠場し、この日、ボルトとワイヤを入れた体で滑った最後の演技。スケート仲間や友人からは多くの花束が贈られ「いいことも悪いことも、こんなにたくさん経験できました。スケートをしてきた経験全てが、自分にとっての宝物と思います」とほほえんだ。
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3月に山梨学院大を卒業し、一般企業での社会人生活が始まる。小学1年生の冬に出合ったスケートで節目を迎えた22歳は「頑張りすぎると、ケガをするということを学びました」と笑わせ「自分のペースで頑張っていきたいと思います」と次のステージを見据えた。【松本航】
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