バスケットボールBリーグ1部(B1)の宇都宮ブレックスは2月24日、宇都宮市内の病院に入院中だったケビン・ブラスウェル・ヘッドコーチ(HC)が死去したことを発表した。46歳だった。1月17日に心臓に疾患があることが判明し、緊急手術を受けていた。
今シーズン開幕前の8月下旬、ブラスウェルHCに単独でインタビューした。米東海岸にある故郷ボルティモアに私が行ったことがあると伝えると「いい街でしょう」とうれしそうに答えてくれた。私が「真夏でとても暑かった記憶があります」と言うと、「ハッハッハ、でも日本の夏よりはマシでしょう」と、あの人懐っこい笑顔を見せた。
それ以来、試合後の会見場などで私の顔を見ると、大きな目をさらに見開いて、合図を送ってくれた。バスケについては結構辛辣(しんらつ)なことも言うが、嫌みはなく、後味の悪さは一切ない。気さくで明るく、常に前向きな気持ちにさせてくれるHCだった。
「私が今まで経験してきた中で、良いコーチというのはみんな、素晴らしいコミュニケーターでした。コートだけではなくオフコートでもそうです」
会話と相手のリアクションを重視し、できるだけ選手ひとりひとりに声をかけていた。ゴルフが好きで、オフには竹内公輔やアイザック・フォトゥらと一緒にラウンドし、関係性を深めた。
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JR宇都宮駅にある「芭莉龍(ばりろん)」というギョーザ店がお気に入り。インタビュー当時は「1週間に3回は行っています」と話していた。いつか一緒にゴルフをして、ラウンド後にはギョーザを食べに行けたらいいなと思っていた。その願いはかなわなかった。
志半ばの逝去がとても悲しい。心よりご冥福をお祈りいたします。【沢田啓太郎】
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