自民党の宮沢洋一税調会長(右)と公明党の赤羽一嘉税調会長=26日、国会内 衆院で審議中の2025年度税制改正関連法案で、所得税が課される最低ラインである「年収103万円の壁」を巡り、基礎控除と給与所得控除各10万円の引き上げを盛り込んでいた政府案について、自民、公明両党は、所得税の納税者の8割強に当たる約4600万人を対象に基礎控除の上乗せ幅を拡大する修正案を取りまとめた。修正を反映させた場合、基礎控除の適用対象である年収2500万円までの単身の納税者であれば、所得税の減税額は年間2万〜4万円となる計算だ。
修正案では、基礎控除の上乗せで所得税の課税最低限を160万円へ恒久的に引き上げる。昨年末に決定した政府案では、課税最低限を123万円へと引き上げる方針だったが、今回の修正で、年収200万円以下の基礎控除はさらに37万円上乗せする。年収200万〜850万円は2年限りで、年収区分に応じて3段階で上乗せされる。
給与所得控除も含めた控除の合計額は、年収150万円なら160万円、同200万円なら163万円が適用される。2年の時限措置が該当する区分の合計控除額は、年収400万円が212万円、同600万円が232万円、同800万円が253万円などとなっている。
政府案の給与所得控除の引き上げは、年収190万円以下だけに減税効果が出る。与党によると、同控除の効果を除いた所得税の減税額は、年収200万円以下で年間2.4万円。基礎控除が30万円上乗せとなる年収200万〜475万円は2万円、10万円上乗せの同475万〜665万円は2万円、5万円上乗せの同665万〜850万円は3万円減税される。
追加の上乗せがない高所得者は政府案通りだが、年収1000万円は2万円、同2500万円は4万円それぞれ減税となる。