奈良県橿原市で2年前、4歳だった女児に暴行して死なせたとして、傷害致死と傷害の罪に問われている母親の元交際相手、山下翔也被告(28)の裁判員裁判が27日、奈良地裁(澤田正彦裁判長)で始まった。被告は「暴行はしていません」と述べ、無罪を主張した。
女児は田川星華(せいか)ちゃん。被告は橿原市内の母親宅で2023年6月18日、星華ちゃんの腹に暴行を加え、十二指腸に穴が開いたことによる腹膜炎で翌19日に死亡させたとして起訴された。5月4日には星華ちゃんの顔に全治約2週間のけがをさせたとされる。
検察側は、被告が23年4月に母親と交際を始め、星華ちゃんを激しくしかるようになったと指摘。6月の事件前、「内臓破裂 どのくらいの衝撃」とインターネット上で検索していたことも明らかにした。母親が別の部屋で寝ていて2人きりになった際、腹部を圧迫する暴行を加えたと主張した。
これに対し、弁護側は「母親が感情的に手を上げることがあった」と反論。十二指腸に穴が開いたのは事件よりも前に生じた可能性があり、病気や事故の疑いも排除できないとして全面的に争う姿勢を示した。
この日は母親の証人尋問も実施された。被告が星華ちゃんのほおを強くつねるなどしたことから、何度か注意したと説明。最後に「守ってあげられなくてごめんね」と涙ながらに語った。
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公判は3月10日に結審し、19日に判決が言い渡される予定。【木谷郁佳】
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