
元保護猫の男の子「あずき」くんと、X(旧Twitter)ユーザー・バニラさん(@9qh3eaR4d9Zz8oN)との出会いは、いつもの日常の中で突然、起こりました。
【写真】「かなり危険な状態」と動物病院で言われて…保護当時、体がボロボロで衰弱していた猫さん
夕方、駐車場で動くものを発見
2021年10月、飼い主さんが帰宅した際、自宅の斜め前にある近所の病院のスタッフ専用駐車場で何かが動くのを目撃しました。一瞬だったため目の錯覚かと思いましたが、気になって確認してみることに。
「止まっている車の下をのぞくと、白くて小さいものが……。まるでハムスターのように見えました。それと同時に『猫が危ない!』と思ったのです」
その場所は駐車場で、すぐ前は交通量の多い道路。「轢かれてしまうかもしれない」と緊張が走った瞬間、子猫は車の下へ潜り込んでしまいました。
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「仕方なく、その車の持ち主さんが戻ってくるのを待ちました。事情を説明したところ、『ゆっくりエンジンをかけてみます』と言ってくださり、エンジンをかけると子猫が飛び出してきたのです。虫取り網で無事に保護しました」
衰弱した子猫を連れて病院へ
保護した子猫は、体がボロボロで衰弱しているようでした。すぐに動物病院へ。猫風邪を引き、栄養不良、ノミやダニ、おなかにも虫が寄生し、打撲のあともあると診断されました。
「先生からは『自力で食べることができれば助かる可能性もある。かなり危険な状態』と言われました。体重はわずか200グラム。それでもこの子は強く、自分でごはんを食べ、見事に回復しました」
そして、飼い主さんの家族の一員となり、被毛が白いのに肉球が黒く小豆のようだったことから「あずき」と名付けられました。
「もしあのとき気づかなかったら……と思うと、保護できて本当に良かったです」
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家族みなに愛されのびのび過ごすあずきくん
あずきくんは3歳を迎え、元気いっぱいのやんちゃボーイに成長しました。
「我が家の末っ子として、“みんにゃ”にかわいがられ、時には怒られながら楽しく暮らしています。いつまでもお子様っぽいのもかわいいです(笑)」
ただ、困るのは何でも口に入れてしまうこと。一度、誤食して腸閉塞になりかけたことがありました。
「病院で注射をして、効果がなければ開腹手術しかないという状態でしたが、幸いにも手術は回避できました。それ以来、誤食を防ぐために徹底して注意しています」
偶然の出会いが生んだ小さな命との縁。あの日、駐車場で気づかなかったら、今の幸せな日々はなかったかもしれません。
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元気に成長した今も、家族の愛に包まれながら、末っ子としてのびのびと過ごす毎日。これからも変わらず、温かい時間を積み重ねていくことでしょう。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)