強い南風「大山おろし」 国交省、ドライバーに注意呼びかけ 鳥取

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2025年03月11日 07:46  毎日新聞

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毎日新聞

大山おろしとみられる強い南風を受け横転した大型トラック=鳥取県大山町所子の山陰道で2012年4月22日、国土交通省中国地方整備局倉吉河川国道事務所提供

 中国地方の最高峰、大山(1729メートル、鳥取県大山町)のふもとでは例年春、強い南風「大山おろし」が吹く。この風にあおられ、日本海沿いを走る山陰道などでは1シーズンに車両7台が横転する事故が過去に起きている。国土交通省はドライバーに注意を呼びかけている。


 大山おろしは例年3月上旬から5月上旬にかけ、鳥取県西部〜中部の大山周辺で発生する。国交省中国地方整備局倉吉河川国道事務所によると、2012年4月に山陰道を走行中の6台、国道9号で1台が強風にあおられ横転。16年4月には山陰道で1台が横転した。横転したのはいずれも車高や重心が高く、横風に弱い大型や中型の貨物車だった。山陰地方を東西に結ぶ山陰道は比較的標高が高い位置を走っており、周囲が開けていることも風の影響を受けやすい要因となっている。


 12、16年の事故発生前後の気象状況を分析した山口大大学院研究グループの論文によると、当時はいずれも低気圧が日本海上を東に進んでいた。12年は大山町塩津で最大瞬間風速32・7メートルと大型台風並みの強風を観測し、JR山陰線が運休するなど交通網が大きく乱れた。論文は「等高線が南北に混み合って、中国山地で山越えの南風が吹く気圧場が生じている」と強風の要因を分析している。16年にも30メートルを超える強風が観測された。


 事務所は平均風速が20メートルを超えた場合、山陰道で通行規制を実施。鳥取県内の山陰道のうち青谷インターチェンジ(IC、鳥取市)―はわいIC(湯梨浜町)区間の13・2キロと、大栄東伯IC(琴浦町)―淀江IC(大山町)区間の28・4キロで全面通行止めとする対応をとっている。過去10年間では16年5月、21年4月、22年3月に各1回、規制を実施した。また、風速の目安となる吹き流しを沿線に設置。吹き流しが水平となっていたら風速は10メートルを超えており、ハンドルを取られないよう、慎重な運転が必要だ。また、強風注意報や暴風警報が出た場合、道路情報板に表示してドライバーの注意を喚起している。


 事務所の三好健夫道路管理課長は「風が強い場合は速度を控えて運転し、横風で危険を感じたら比較的風を受けにくい国道9号へ迂回(うかい)してほしい」と呼びかけている。【渕脇直樹】



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  • 母を連れて、母の実家「名和」に行きたいな。もう何年も行ってない。祖父母の墓参りをしたい。
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