鎮静剤投与後、患者死亡 歯科医師2人を業過致死容疑で書類送検

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2025年03月11日 20:37  毎日新聞

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毎日新聞

警視庁=米田堅持撮影

 東京都新宿区西新宿の歯科医院「エトー歯科」で2019年11月、女性患者に鎮静剤を投与した後、経過観察を怠り死亡させたとして、警視庁捜査1課は11日、当時同院の院長だった男性歯科医師(71)と、治療に当たった女性歯科医師(53)を業務上過失致死容疑で書類送検した。


 書類送検容疑は19年11月13日、虫歯治療でエトー歯科を受診していた川崎市の職業不詳の女性(当時57歳)に、院長だった男性歯科医が鎮静剤を投与し、女性歯科医が治療。治療後、鎮静剤で眠っていた女性を診察台で1人にして安全管理を怠り、翌14日に低酸素脳症で死亡させたとしている。


 捜査関係者によると、女性歯科医は治療後にカルテを入力するため診察台を離れており、約10分後に戻ると女性の顔色が変色しているのに気づいた。女性は病院に救急搬送されたが死亡した。エトー歯科は23年3月に閉院した。


 エトー歯科は患者の恐怖心を和らげるため、局所麻酔ではなく、点滴で血液に鎮静剤を流し込んで眠らせる「静脈内鎮静法」を取り入れていた。女性もこの治療を受け、事故当時は計30ミリの鎮静剤が投与されていたとみられる。この鎮静剤を成人に投与する場合、通常は総量5ミリまでが適量とされているという。


 男性歯科医は任意聴取に「以前にも(この女性に)同様の量の鎮静剤を投与したが副作用が無く、血圧や脈拍を測定していなかった。スタッフにも容体の観察を指示しなかった」という趣旨の供述をし、容疑を認めている。女性歯科医は「容体を観察するよう指示を受けなかった」と話しているという。


 エトー歯科では17年にも鎮静剤を投与された別の患者の呼吸が悪化し、救急搬送される事故が起きていた。警視庁はこうした経緯から、男性歯科医と女性歯科医が、副作用を起こす危険を認識しながら、女性の経過観察を怠ったと判断したとみられる。【菅健吾、朝比奈由佳、岩崎歩】



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