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愛知県犬山市で昨年5月、小学1年の島崎奈桜(なお)さん(7)が暴行を受け死亡した事件を検証している、県の第三者委員会委員長の折出健二・愛知教育大名誉教授が18日、関係者に実施したヒアリングなどに関する中間報告を行った。本来は十分に連携を取るべき児童相談所と奈桜さんに関わる現場との“ずれ”を指摘し、「対等な関係性が弱かったのではないか」との見解を示した。
第三者委は昨年8月から8回にわたり委員会を開き、児相職員や犬山市の関係者ら延べ23人にヒアリングを実施した。その中で、奈桜さんが通っていた保育園の関係者らは、児相に新しいあざなどの情報を伝えても、その後どう判断したかなどの経過は児相から報告がなかったとし、「私たちの声がなかなか届かない」との思いを抱いていたことが分かったという。
折出委員長は「奈桜さんに日々接している人たちの声がなぜ届かず、なぜ受け止めようとしないのか。子どもの命を守る機関がそういうことでいいのか。丁寧に検証していきたい」と述べた。
また、児相が奈桜さんの処遇を決める際の判断の根拠を本人の証言に頼る傾向にあった一方で、そうした証言からはうかがえない「不安」や「恐れ」などを抱く奈桜さんの心理状態を把握していた専門職からの報告は判断の根拠としていなかったことも判明。そうした点が妥当だったかどうかなども分析していくとしている。
第三者委は来年度中に報告書を取りまとめる方針。【加藤沙波、田中理知】
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