米遺伝子検査企業23アンドミーのロゴマーク(AFP時事) 【シリコンバレー時事】米遺伝子検査企業23アンドミーは23日、米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請した。承認を得て、資産売却を進める。同社は検査サービスで1500万人を超える顧客データを保有しており、カリフォルニア州は利用者に自らのデータを削除するよう促している。
23アンドミーは2006年創業。遺伝子検査キットを販売し、唾液から遺伝的にかかりやすい病気などを調べるサービスを提供してきた。23年にサイバー攻撃で700万人弱の個人情報が流出し、経営が悪化していた。
破綻に伴い、創業者のアン・ウォジスキ氏は最高経営責任者(CEO)を退任。取締役には残り、入札を通じて経営権を取得する考えだ。ウォジスキ氏は非上場化した上で再建する意向だったが、取締役会の反対に遭っていた。
23アンドミーは公開書簡で、破産法申請によって顧客データの保護方針が変わることはないと説明した。ただ、売却先次第でデータが移管されたり売買されたりするとの懸念が出ている。カリフォルニア州のボンタ司法長官は声明で、州民には「データ削除を指示する権利がある」と強調。手順とともに権利行使を促した。