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<フィギュアスケート:世界選手権>◇27日(日本時間28日)◇第2日◇TDガーデン(米マサチューセッツ州ボストン)◇男子ショートプログラム(SP)
【ボストン=松本航、藤塚大輔】3個の銀メダルを持ち、念願の初優勝を目指す鍵山優真(21=オリエンタルバイオ/中京大)は笑顔の2位発進となった。今季ベストの107・09点をマーク。110・41点で首位のイリア・マリニン(20=米国)と3・32差で、フリーで逆転を期す。
4度目の世界選手権。SP曲「サウンド・オブ・サイレンス」に乗った日本のエースは4回転−3回転の連続トーループ、4回転サルコー、トリプルアクセル(3回転半)を全て成功させ、力強く氷に両拳を振り下ろすガッツポーズを決めた。
キス・アンド・クライで得点を確認すると「おぉ」と満面の笑みで自らに拍手を送り「上に書いてある(場内の電光掲示板に表示された自身の)コメントがあったんですけど、自分にプレッシャーかける感じで『みんな立ち上がる時だよ』と言ったので。1個1個のエレメンツをしっかり落ち着いてできましたし、最後まで気を抜かずに、スピンまで100%の力でできたので良かったと思います」と納得した。
滑走順の抽選では、盟友の佐藤駿(21=エームサービス/明治大)がアダム・シャオイムファの代わりに引いた結果、鍵山が最終滑走になっていた。「やばい…」と苦笑いする佐藤を横目に「何番でもやりますよ! 締めてやります。駿のためにも」と頼もしかった鍵山が、本場米国の大観衆の前でも重圧に屈せず、本領を示した。
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その流れから、試合後の取材で「最後、ビシッと締めましたね」と記者団から問われると「そうですね。いろいろ昨日、抽選が行われて最終滑走が決まって、こうなる状況がイメージできていたので。事前にイリア選手がノーミスして、皆さんがスタオベして、という状況はイメージできていたからこそ、落ち着いてできたと思います。その覚悟を持って、全力で、ただただやりたいことができました。久しぶりにシーズンベストを更新できて、なかなか106点から上回ることがなかったので。本当に今日はうれしいです。自分を褒めたいと思います」とほほ笑んだ。
今大会は2026年ミラノ・コルティナ五輪(オリンピック)の国・地域別出場枠獲得が懸かっている。佐藤、壷井達也(22=シスメックス)もフリーへ進んだ上で、上位2人の総合順位が合計「13」以内となれば最大3枠を確保。その中でSPは鍵山が2位、佐藤が5位、壷井が24位で全員通過した。
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