限定公開( 4 )
古びた建物の外壁は黒ずみ、植物が絡みついている。階段の手すりはさび付き、そばには粗大ゴミのような物が置かれたまま――。住宅や中学校がある文教地区に建つ老朽化した建物は、京都府の災害用備蓄倉庫だ。築50年以上が経過し、府包括外部監査は3月26日に公表した報告書で「地震などの災害の際には建物自体が被害を受ける恐れがある」と防災、機能面で問題視した。
建物は、旧洛東病院の職員寮として1972年に築造された。2005年に病院は閉院。府は寮だった建物を14年度から災害用備蓄倉庫として使っている。維持管理費も必要で、23年度は約250万円を要した。
建物内には飲料水(500ミリリットル、24本入り)が460箱、毛布が約5万枚保管されているが、寮の建物だったため多くの部屋に分割して保管。包括外部監査は「災害発生時に必要となった際には、搬出にかなりの時間を要するのではないか」と指摘し、湿気などの環境面も考慮し「物資の搬出入や保管といった面から適していない」とも断じた。
さらに建物を「異様な外観となっている」とし、近隣の治安・防犯上の観点から「問題がある」と指摘。「まずは建物の解体撤去の検討」を求めた。
府の担当課は「(建物や備蓄物資を)どうしていくか、検討していくことになる」としている。【久保聡】
|
|
|
|
|
|
Copyright(C) 2025 THE MAINICHI NEWSPAPERS. 記事・写真の無断転載を禁じます。
掲載情報の著作権は提供元企業に帰属します。