米実業家イーロン・マスク氏(写真左)とナバロ大統領上級顧問(いずれもAFP時事) 【ワシントン時事】トランプ米大統領に近い実業家イーロン・マスク氏は8日、X(旧ツイッター)の投稿で、強硬な関税引き上げ論者のナバロ大統領上級顧問を「本当にばか」とののしった。マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める電気自動車(EV)大手テスラについて、ナバロ氏が「自動車組立業者」と発言したことに反発した。
マスク氏はここ数日、イタリアの政治集会で「米欧はゼロ関税の状況が理想的」と主張したり、供給網の重要性を説く著名経済学者の映像をSNSに投稿したりするなど、自由貿易志向を隠さなくなっている。高関税政策を掲げるトランプ政権内では浮いた存在になりつつある。
ナバロ氏は7日、テスラは「自動車製造業者ではなく、組立業者だ」と指摘。同社は電池といった部品を日本などから輸入しているとし、重要部品は米国で生産する必要があると訴えた。
マスク氏はこれに対し、「テスラは最も米国製の車だ」と強調。「ナバロ氏は、大ばかよりもばかだ」と批判した。
マスク氏の率いる「政府効率化省」が主導する政府機関の規模縮小や職員の大量解雇を巡っても、政権内であつれきが生じたとされる。トランプ氏はマスク氏が「数カ月内」に政権を離脱することを示唆している。