
大阪のタワマン高騰が続いている。
【漫画】「タワマンに住んで後悔してる」憧れの東京生活のはずが 中学受験にママ友マウント…疲弊していく日々
先日、「グラングリーン大阪・ザ・ノースレジデンス」(大阪市北区)の物件が関西最高値となる25億円で販売された。当マンション内には車専用のエレベーターがあり、リビングから愛車を眺めながら暮らすことができる、まさに贅の限りを尽くした仕様だ。
こういった物件は一体誰が買い、どう販売されているのか。タワーマンション情報に詳しい、TOWERZのCOO(最高執行責任者)である芝崎健一さんに話を聞いた。
――どんな層が購入を?
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芝崎:サラリーマンや個人経営者の年収で購入するハードルはかなり上がりました。住宅ローンの兼ね合いもあり、購入できる予算帯は2億円まででしょう。そんな高額物件をキャッシュで、ショッピングを楽しむように購入するのは、地元中小企業のオーナー社長や、アジアを中心とした海外勢。特に香港や台湾からやってくる人々は気軽に購入し、一気に何部屋も買う人も。まさに“爆買いツアー”ですね。
――やはり目的は投資。
芝崎:そうですね。実際に生活することはなく賃貸にも出さない。ただ持っているだけで値段が上がるので、値段が上がったら売る、儲かったお金でまたタワマンを買う、という循環ができています。だから実際の物件も見ずに気軽に買うんですよ。
――外国人オーナーが増えることで…
芝崎:大国町に建つタワーマンションの外国人保有率は約60%と過半数越え。管理組合の区分所有法では、共用部の変更や、規約の変更は過半数でできます。外国人を一括りするべきではありませんが、理事会決議など外国人だけで修繕やルール変更の決議を取ることができる。これは将来的に社会問題になるのでは、と思っています。
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――物価以外に価格高騰の理由はありますか?
芝崎:一般販売開始前、すでにタワマン購入履歴のある上顧客に優先的に販売する場合があります。これを“アンダー販売”と言います。一般販売できる戸数が減り、購入対象住戸が少なくなるため抽選倍率が上がる。どうしても買いたくなる人が増えるため、販売期ごとに販売価格を上げることができます。その影響が周りの中古タワーマンションにも出ており、中古でも年々値上がり続けることになります。
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グラングリーン大阪・ザ・ノースレジデンスの事例が大阪のタワマン相場を吊り上げたようだ。本町シティタワー大阪本町(大阪市中央区)は2年前は3LDK、67平方メートルで8,500万円だったが、同じ間取りの物件が現在は1億2千万円に急騰。バブルがいつ弾けるのか気になるところだが、今のところIRなどまだまだ開発が続く大阪。今後の不動産の値動きに注目が集まる。
(まいどなニュース特約・米田 ゆきほ)
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