
使い道をあえて決めない休暇をとり、仕事からしばらく離れて心身をリフレッシュする「サバティカル」を取り入れる企業が、日本でも少しずつ増えてきています。そんななか、あさぎエマさんは思いきって仕事を辞め、夫婦でサバティカルに挑戦。その実体験を描いた漫画『共働き夫婦のサバティカル日記』をnoteに投稿し、注目を集めました。
【漫画】無職生活…夫は不安にならないの? 「共働き夫婦のサバティカル日記」全編を読む
夫婦でサバティカルを取ることにしたあさぎエマさん夫婦。しかし無職の期間が長引くと、誰もが不安を感じるもの。特に男性は「仕事=自分の価値」と考える傾向が強く、無職でいることは心に大きな影響を与えるといわれています。
このサバティカルによって、夫がメンタル的にダメージを受けないか、あさぎさんは心配していました。しかし当の本人はというと、育児の8割を担い、幼稚園へのお迎えや子供のイベント予約まで積極的にこなし、意外にも主夫生活を楽しんでいる様子です。小さい子供を抱え、夫婦ほぼ無職という状況で、夫はなぜ不安を感じないのでしょうか。その謎を解き明かすために、あさぎさんは、夫の行動を観察することにしました。
観察を続けるうちに、あさぎさんは夫が不安を感じない理由は「知り合いの多さ」にあると気づきます。幼稚園の発表会で、見知らぬ保護者にも気さくに声をかけ、自然に連絡先を交換している姿に、人見知りのあさぎさんは感心します。また、夫には専門性があるため、サバティカル中も仕事の相談が舞い込んでくることも。
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あさぎさんは、将来の経済的な不安を和らげるには、少しの専門性と「人とつながる力」が大切なのだと夫の姿から学びます。作者のあさぎエマさんにサバティカル生活について、詳しい話を聞きました。
ーご夫婦が同じタイミングで無職生活になったきっかけを教えてください。
お互い30代が終わるタイミングだったため、人生後半をどう生きていくか立ち止まって考えたかったこと、また子どもたちが当時3歳・6歳と小さかったので育児に時間を使いたいと思ったことがきっかけです。
ー無職生活を始めた当初、ある程度の期間の区切りは決めていたのでしょうか。
資産の状況や今後のキャリアのことを考えて、最長2年くらいにしようと話していました。
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ー先日、noteの記事で、だんな様が就職されたとご報告されていました。振り返ると約2年に及んだ無職生活でしたが、その間、あさぎ様から見て、だんな様が不安を感じられていたことはありましたか?また、あさぎ様自身は、この約2年をどのような思いで過ごされてきましたか?
夫は特に不安を感じてはいなかったようです。子どもたちと過ごす時間が増えて日々充実している様子でした。私自身にとっては、仕事をほとんどしないことで「老後の予行演習」のような期間となり、今後の仕事や生活についての解像度が上がったと感じています。不安を感じることもありましたが、ストレスが少ない生活だったからか、私も比較的楽観的な気分で過ごすことができました。
ー「サバティカル」をとろうと考えている方や、いったん仕事から離れてみようと考えている方に向けて、メッセージがありましたら、お願いいたします。
現在の資産と今後使う予定のお金、キャリア資産(スキルや人脈等)、これからやりたいこと等を夫婦で一緒に洗い出してみると、意外と多くの選択肢が見えてくるかもしれません。
私たち夫婦は2年間サバティカルを取って本当によかったと感じているので、少しでも関心がある方はぜひ情報収集から始めてみることをおすすめします!
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(海川 まこと/漫画収集家)