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医療搬送用のヘリコプターが長崎県・壱岐島沖で転覆して6人が死傷した事故で、国の運輸安全委員会は2日、回収した機体を調べた結果、尾翼にある装置「テールローター(後部回転翼)」を制御する部品(コントロール・ロッド)が破断していたと発表した。破断すると、左右への方向制御ができなくなるという。安全委は破断した原因などをさらに詳しく調べる。
運輸安全委から情報提供を受けた国土交通省は同日、事故機と同系列の機体の所有者に対し、コントロール・ロッドを点検するよう連絡。ドクターヘリや警察庁の警察航空隊など85機あるといい、不具合があれば部品を交換するよう求めている。
事故は4月6日に発生。ヘリは午後1時半、患者(当時86歳)を福岡和白病院(福岡市東区)に搬送するため、長崎県・対馬空港を離陸したが、17分後にGPS(全地球測位システム)機器からの発信が途絶えた。午後5時過ぎ、海上で転覆した機体が見つかり、搭乗者6人全員を病院に搬送したが、患者ら3人が死亡。男性機長ら3人は背中を圧迫骨折するなどした。
ヘリの運航会社「エス・ジー・シー佐賀航空」(佐賀市)によると、ヘリは当時、高度約150メートルを飛行。機長は事故直前の状況について「飛行中に機体から異音がした」「(異音の)直後に高度が低下し、機体のコントロールに専念した。海上に降りざるを得なかった」と説明していた。【宗岡敬介】
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