老人ホームで入所者を踏みつけ骨折　35歳介護士を傷害容疑で逮捕

　老人ホームで入所者の男性を踏みつけるなどの暴行を加えたとして、佐賀県警佐賀南署は3日、この施設の職員で介護士の下津浦弘平容疑者（35）＝佐賀市諸富町諸富津＝を傷害容疑で逮捕した。男性は搬送先の病院で死亡が確認された。死因は外傷性ショックだった。佐賀南署は傷害致死容疑に切り替えて調べている。

　逮捕容疑は2日午前4時ごろ、佐賀市北川副町の老人ホームで、個室に入所していた柳瀬忠雄さん（87）の顔を平手で殴ったり、背中付近に乗って踏みつけたりするなどの暴行を加え、外傷性の腎破裂や胸の骨を複数折るけがをさせたとしている。下津浦容疑者は「間違いありません」と容疑を認めているという。

　佐賀広域消防局などによると、2日午前6時半ごろ、老人ホームの職員から「男性の反応が鈍い。意識レベルが低下している」と119番があった。柳瀬さんは病院に搬送されたが、約1時間半後に死亡が確認された。病院から連絡を受けた佐賀南署が捜査を進めたところ、下津浦容疑者の関与が浮上した。

　老人ホームの担当者は「守秘義務があるのでコメントは差し控える」としている。【宗岡敬介】