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大阪市西成区で小学生の列に乗用車が突っ込み7人が重軽傷を負った事件で、殺人未遂の疑いで逮捕された矢沢勇希容疑者(28)=東京都東村山市=が「苦労せずに生きている人が嫌だった」という趣旨の供述をしていることが、捜査関係者への取材で判明した。大阪府警は容疑者が社会に対して一方的に恨みを募らせ、無差別殺人を思い立った可能性があるとみて詳しい動機を調べている。
捜査関係者によると、容疑者は児童7人をはねて逮捕された直後に「全てが嫌になった。人を殺そうとして車で突っ込んだ」と話していた。その後の調べに対し「苦労せずに生きている人が嫌だ」などと自身の不遇や社会に対する不満とも取れる趣旨の話をしているという。ただ、負傷した児童らと面識は無かったとみられ、なぜ標的にしたのか経緯を捜査している。
関係者によると、容疑者は東京都内の大学を卒業後に診療放射線技師として病院で働いていた。しかし、4月下旬に自己退職したと府警に説明。仕事を辞めてすぐに大阪まで移動したとみられ、4月29日にJR新大阪駅近くのレンタカー店で事件に使われた白色のスポーツタイプ多目的車(SUV)を借りていた。
車の返却予定は5月1日の朝だったが、容疑者は返さずにこの日午後、事件に及んだとされる。大阪市西成区千本中2の路上で午後1時半すぎ、下校していた市立千本小学校2、3年の男女児童7人を車ではねて殺害しようとした疑いが持たれている。容疑を認めているという。
現場の道路は幅3・7メートルと狭く、南向きの一方通行だった。容疑者が運転する車は蛇行するように進みながら、児童らの列に後方から突っ込んだとみられる。防犯カメラなどには車が速度を緩めずに児童らに近づく様子が記録されており、府警は明確な殺意があったとみている。
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事件で負傷した7人の児童のうち2人が骨折などの重傷、残る5人が打撲などの軽傷を負った。
府警は3日、矢沢容疑者を送検した。【斉藤朋恵、大坪菜々美】
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