
美容室でのシャンプー。美容師さんに襟足を洗ってもらうとき、自ら頭を浮かせてしまうーーという人はいませんか。ネット上には「美容師さんの負担を減らしたいから頭を浮かせる」「重いと悪いから首に力を入れる」など、美容師を気遣う客の声が。よかれと思っての行為ですが、現役美容師に尋ねると予想外の答えが返ってきました。
客の背中に水が流れ込む可能性も
「気をつかってくれているのはわかりますが、力は入れないでほしいです」
こう話すのは、美容師歴20年の石川祐一さん。新人時代は東京のヘアサロンで修行し、現在は兵庫県明石市内で美容室「casa Lotti(カーサロッティ)」を経営するベテラン美容師です。
石川さんによると、シャンプーの際に客が頭を浮かせたり、力を入れる行為は「あるある」らしく、肌感覚では7割ほどの客が行なっているそうです。
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しかし美容師側からすると、客の頭を重いと感じることはなく「全く負担ではありません」。
美容師にとって、手順ごとに施術しやすい角度や高さがあり、「洗いやすい角度を作りたい」というのが本音。客に力を入れられると「やりにくい」と感じるそうです。
また、客が予期せぬ動きをすることで、シャワーの水が思わぬ方向に飛んでしまう恐れがあり、最悪の場合は、客の背中に水が流れ込む可能性もあるといいます。
では客側の理想的な体勢は。
「頭に力を入れないでほしいです。どこにも力を入れず、ただ横になってもらうだけでいいです。力を抜いてもらった方がやりやすいです」(石川さん)
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ほかにも、シャンプー終了後、背もたれが電動リクライニングにも関わらず、自らの腹筋で起き上がる客も一定数いるそうですが、「最後までチェアに身をゆだねてリラックスしていてください」(石川さん)。
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美容室でのシャンプーをめぐっては、SNS上にもさまざまな声がありました。
客の声としては、「頭を抱えてくれる時の力の入れ具合が難しい」「襟足をシャンプーされる時の力の入れ方を教えてほしい」「頭の力の入れ具合って何が正解なの?」「美容師さんに力抜いてもらって大丈夫ですよと言われた」「頭を浮かせたら若い美容師さんに頭をギュッと戻された」など。
美容師と思われる複数のアカウントでは、「頭を上げられると流しにくい」「まじで力抜いて」「完全に力抜いて。頭を浮かせないで」などの要望が書き込まれていました。
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(まいどなニュース・金井 かおる)