限定公開( 2 )
ゲーム周辺機器ブランドの「GENKI」を展開する米Human Thingsは5月4日、任天堂の米国法人であるNINTENDO OF AMERICAから提訴されたと公式Xアカウントで明らかにした。同社は1月上旬にラスベガスで開催されたIT見本市「CES 2025」の会場で「Switch後継機の模型」と称するものを来場者に公開し、任天堂に「公式のものではない」と否定されるなど物議を醸していた。
Human Thingsは訴訟について「われわれは真剣に受け止め、法律顧問と協力して思慮深く対応している」としているが、詳細には触れていない。「Genkiは、私たちが愛するコミュニティーのために革新的なゲームアクセサリーを作ることに注力している。われわれは自分の仕事に誇りを持っており、製品の品質と独創性に自信を持っている」。
さらに「詳しく語ることはできないが、今週Pax Eastで最新の製品を紹介する準備を続けている」と宣伝も忘れていない。Pax Eastは、5月8日から米国ボストンで開催されるゲーム関連カンファレンスだ。
●CESで何があったのか
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米国の法律調査サイト「CourtListener」などが掲載している文書によると、NINTENDO OF AMERICAが問題視したのは、Human Thingsによる商標侵害と不正競争行為。「任天堂の次世代コンソールに関する社会的な関心を利用する意図の戦略的なキャンペーン」と断じている。
CESの会場では、3Dプリンターで作ったとみられる無許可のモックアップ(模型)を少なくとも2つ用意し、来場したメディア関係者に見せて「未発売のコンソールにいち早くアクセスした」と自画自賛していたという。Human ThingsのEdward Tsai(エドワード・ツァイ)CEOの名前も登場する。
同社は、Switch 2向けに8つの周辺機器を販売するとして複数のメディアのインタビューを受け、「Nintendo Switch 2の具体的かつ極秘のデザインと機能を確認した」と主張した。ところが1月10日に任天堂がGenkiのモックアップについて「公式なものではない」とする声明を発表すると、一転して「本物のプレリリースモデルにアクセスしたことはない」と述べたという。
しかしその後も自社の周辺機器はSwitch 2と互換性があるという主張は続けている。4月2日に任天堂がSwitch 2の詳細を公表した「Nintendo Direct」を配信した際には、Human Thingsも合わせて「GENKI DIRECT」を配信し、自社のアクセサリー類を紹介。動画に登場するポータブルゲーム機は「Genki Glitch 2」という名前になっていたものの、動画の最後には「Switch 2と互換性がある」と書いていた。
Human Thingsは、2017年に設立されたゲーム周辺機器メーカー。現在は世界95カ国に展開しており、日本でも一部家電量販店で取り扱っている他、クラウドファンディングサイト「Makuake」でも複数回プロジェクトを実施している。
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