トランプ米大統領(写真左)と中国の習近平国家主席(AFP時事) 【北京、ワシントン時事】中国の習近平国家主席とトランプ米大統領は5日、電話会談し、閣僚級の会合を近く開くことで一致した。会談は第2次トランプ政権発足後初めて。貿易戦争で相互不信が強まる中、関係改善に向けトップ間で議論した。
トランプ氏は会談後、「非常に前向きな結論に至った」とSNSに投稿。会談は約1時間半行われ、交渉が停滞している貿易問題について議論した。対立を深めるレアアース(希土類)の輸出規制については「問題は解消される」との見方を示した。「習氏が妻と私を中国に招待した」ことも明らかにした。
米中は5月にスイスで開かれた閣僚級会合で、貿易戦争の一時休戦につながる合意を結んだ。中国外務省によると、習氏は会談で「中国は厳格に合意を履行してきた」と強調。トランプ氏に、中国に対する「ネガティブな措置を撤回すべきだ」と訴えたという。
閣僚級会合では、追加関税を115%ずつ引き下げることで合意。高関税のかけ合いが始まった4月以降に中国が米国に講じた「非関税報復措置」を停止するとの内容も含まれた。米側はレアアースの輸出規制解除も合意に含まれると主張している。
中国がレアアースの輸出規制を続けていることに反発した米国は、中国人留学生のビザ(査証)を積極的に取り消す方針を示した。中国外務省によると、トランプ氏は会談で「中国からの留学生を歓迎する」と述べた。台湾を自国の一部とする中国の立場に異を唱えない「一つの中国」政策を「今後も続けていく」とも語ったという。
両氏の会談は第2次トランプ政権発足直前の1月に行われたものの、トランプ氏の再登板以降は初めてとなる。習氏と米国の現職大統領の会談は、昨年11月中旬にペルーのリマで当時のバイデン大統領との間で行われて以来約7カ月ぶり。中国メディアによると、会談は米国の要請で行われたという。