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福岡県宗像市沖で2024年11月に海上自衛隊の掃海艇「うくしま」が火災を起こし沈没した事故で、海中から船体主要部を引き揚げる作業が7日行われた。海自によると、船体は木造で激しく燃えてもろくなっている可能性があり、クレーン船を使って持ち上げた後、海中で「浮きドック」と呼ばれる台船に乗せ、ゆっくりと浮上させた。
船体は今後、長崎県の佐世保港に運ばれ、海自などが出火原因や延焼状況を詳しく調べる。
現場は響灘と玄界灘の境界部に位置する離島・大島の北西約2キロ、水深約50メートルの海域。海自は気象や海象(海で発生する自然現象)が穏やかになる時期の引き揚げを検討していた。
この日の作業は、深田サルベージ建設(大阪市)のグループ会社「オフショアエンジニアリング」(東京都)が担当。海自から約34億円の随意契約で委託を受け、5月以降、ダイバーや遠隔操作型無人潜水機(ROV)を投入して船体にワイヤを取り付けるなど、準備を進めていたという。
火災は24年11月10日午前9時40分ごろ発生。一旦は鎮火の判断がなされたが再び燃え上がって船体が転覆し、11日午前8時35分ごろ沈没した。出火元のエンジンルームにいたとみられる古賀辰徳3等海曹(当時33歳)=2曹に特別昇任=の死亡が確認された。
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海自の掃海艦艇は船の磁気に反応する機雷から船体を守るため、うくしまを含む12隻が木造、6隻が繊維強化プラスチック(FRP)製という。【松浦吉剛】
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