スウォッチグループ日本法人の本社ビルの傾いたエレベーター=9日午後、東京都中央区 9日午後2時ごろ、東京都中央区銀座にあるスイスの腕時計メーカー「スウォッチグループ」の日本法人本社ビルで「大きな音がして、エレベーターが倒れそうになっている」「エレベーターが傾いている」と管理者の男性らから通報があった。警視庁築地署によると、当時乗客はおらず、けが人はいない。
エレベーターは油圧式で、ビル壁面に外付けされ、1階と3階を行き来していた。ガラス製のかごは高さ約8メートルの3階辺りで止まった。
日本法人によると、エレベーターの支柱を支える「ガイド」と呼ばれる鉄製の部品が外れた状態だった。管理会社は同署に対し「チェーンが切れたことが原因とみられる」と説明しており、先月16日の点検では異常はなかったという。
同法人は「通行人や近隣店舗にご迷惑をおかけして申し訳ない。安全の確保を最優先に対応する」としている。
同法人ホームページなどによると、現場は2007年に完成した地上14階、地下2階建ての本社兼店舗。同グループがスイス以外に建設した初めてのビルで、創業者の名前から「ニコラス・G・ハイエックセンター」と名付けられた。円形や四角、楕円(だえん)などさまざまな形のガラス張りのエレベーター7台が設置されるなど、特徴的なデザインとなっている。