公正取引委員会=東京都千代田区 運営する音楽教室で働くフリーランスの講師らに取引条件を明示しなかったなどとして、公正取引委員会は25日、フリーランス法違反で、楽器販売などを手掛ける「島村楽器」(東京都江戸川区)に再発防止などを求める勧告を出した。
公取委によると、同社は昨年11月〜今年2月、音楽教室の講師や同教室主催の発表会で演奏するミュージシャンら101人に対し、「ミュージックスクール」への入会前の生徒の無料体験レッスンや、発表会などの業務委託を巡り、報酬額などの取引条件を明示せず、期日までに報酬を支払わなかった。体験レッスンを無償でさせていたケースもあった。
同社は音楽教室で指導する契約を結ぶ際、体験レッスンの無償実施などを含む覚書を交わしていたという。公取委は勧告の中で、体験レッスンの対価相当額を速やかに支払うことも求めた。
ホームページによると、同社は今年4月現在、店舗・音楽教室を40都道府県で計180カ所展開。ミュージックスクールでは子供から大人までピアノやバイオリンなど幅広い楽器を学べる内容となっている。
同社は勧告を受け、社内研修を実施するなどして「法令順守の徹底に全社を挙げて取り組んでいく」とコメントした。