インタビューに応じる九州電力新社長の西山勝氏=23日、福岡市中央区 九州電力の新社長に26日付で就任した西山勝氏は、時事通信のインタビューに応じた。従来の原発より安全性を高めた次世代革新炉などの原発建て替え(リプレース)について、「現時点では何も決まっていない」としつつも、「将来の電力需要や国の制度措置などの条件を見ながら、次のアクションを考えていきたい」との意向を明らかにした。
九電は5月に発表した2035年までの経営ビジョンで、次世代革新炉の設置に向け検討を進める方針を表明。ただ、場所や時期については「未定」としている。西山氏は「(新設には)さまざまな前提条件が必要だ」と強調。実際の検討に移るには一定のハードルがあるとの認識を示した。
条件として、電力の需要面の見通しに加え、資金調達面での課題解決などを挙げた。特に次世代革新炉は「建設に時間も費用もかかる一方、回収は長期に及ぶ」と説明。「金融機関から見て貸し倒れのリスクをどう見るかという課題もあり、現在の制度では不十分だとの声もある」と指摘した。
次世代革新炉の設置で川内原発(鹿児島県薩摩川内市)など既存原発の敷地を活用するかどうかに関しては、「いろいろな選択肢を今後検討していく」と述べるにとどめた。