順天堂と教授に賠償命令=「危険性の説明尽くさず」―内視鏡検査後に女性死亡・東京地裁

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2025年07月18日 14:31  時事通信社

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時事通信社

学校法人順天堂と男性教授に賠償を命じた判決後、記者会見する死亡した女性の娘ら=18日午後、東京都千代田区
 順天堂大付属順天堂医院(東京都文京区)で2021年、死亡のリスクを十分説明せずに胆管の内視鏡検査を実施し、女性=当時(72)=を死亡させたなどとして、遺族5人が学校法人順天堂と担当医の男性教授に計約2億2000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であった。一場康宏裁判長は「検査の危険性について説明を尽くす義務に違反した」として計約6300万円の支払いを命じた。

 順天堂側は死亡のリスクを説明したと主張したが、一場裁判長は遺族側が提出した録音記録から信用できないと判断。女性が胃カメラと同程度のリスクと誤って理解したと指摘し、「検査の緊急性は高くなく、説明義務を果たしていれば検査を受けなかった」として、死亡との因果関係を認めた。

 一方、教授が内視鏡を挿入した際に胆管に穴が開き、急性膵炎(すいえん)の重症化で死亡したとする遺族側の主張については、損傷はあるものの穴は認められないとして、「検査方法やその後の対応に義務違反はない」と退けた。

 判決によると、女性は21年2月、胆管の検査のため順天堂医院に入院。検査2日後に死亡した。

 判決後に記者会見した女性の娘は「母は元気で、ただの検査だと言われてすぐに帰れると信じていた。医師の責任とは何か、社会全体で問い直してほしい」と話した。

 女性の死亡を巡っては、遺族側が教授について業務上過失致死容疑で警視庁に告訴し、昨年12月に受理された。 

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  • 病院相手によくミス認めさせたよ。認めちゃいないか。裁判起こしてそう決まったってことか。
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