報道各社の取材を受ける参政党の神谷宗幣代表=20日午後、東京都新宿区 参政党は、参院選で10議席以上を確保し、予算を伴わない法案の単独提出が可能となった。「日本人ファースト」を旗印に、外国人規制の強化などをアピール。SNSを駆使して自民党支持の保守層に浸透を図ったことが奏功した。
神谷宗幣代表は21日未明の記者会見で、自公政権との連立について「今のところ全く考えていない」と否定。野党連携に関しては「いい枠組みをつくり、国民のためになるなら党員に諮る」と述べた。
これに先立つNHK番組では「次の衆院選で合計50、60議席を取ることができれば、欧州のような小政党の連立内閣が実現する。その一角を目指したい」と展望を語った。
参政は、2022年の参院選で神谷氏が初当選し、国政進出を果たした。昨年の衆院選で3議席、今年6月の東京都議選で3議席を獲得。今回の公示前に現職の参院議員が1人加わり、テレビ討論などへの出演が増えた。全選挙区に候補者を立て、発信を強めた。
排外主義を連想させるキャッチフレーズや教育勅語の尊重、男女共同参画の否定など、参政の主張は主要メディアで批判的に取り上げられる場面も目立った。一方、SNSなどでは支持者が擁護論を展開。神谷氏は会見で「明らかに切り取りもあり、国民が『これはおかしい』と疑問を持つきっかけになった」と強調した。
米国ではトランプ大統領が「アメリカ・ファースト(米国第一)」を唱え、欧州各国でも厳しい移民政策を掲げる右派政党が拡大傾向にある。参政躍進の背景には、既存の主要政党に対する世論の不満もあったとみられる。