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学習支援員だった男性(69)による女子生徒への性加害を適正に通報しなかったとして、群馬県教育委員会は23日、邑楽(おうら)郡の町立中学校の男性校長(59)を戒告の懲戒処分にした。2022年4月施行の「教員による児童生徒性暴力防止法」は、教職員らに性犯罪の疑いがあれば速やかに警察に通報すると定めているが、校長は法律への認識が不足し、通報が遅れたと認定した。
元学習支援員は今年1月、校内の小部屋で2度にわたり女子生徒の体を触るなどしたとして不同意わいせつ容疑で逮捕され、5月に懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受けて確定した。被害生徒は過去の心理的な要因などで言葉が出なくなる「緘黙(かんもく)症」という病気を患っていた。
県教委によると、1回目のわいせつ行為の疑いを把握した教員が校長に報告したが、校長は夕方の遅い時間だったため事実確認しなかった。5日後、2回目のわいせつ行為が発生。それでも校長は警察に通報せず、町教委への報告にとどまった。
被害生徒の母親から病院を通じて警察に通報が行き、元学習支援員は逮捕された。県教委は「不審な行動を把握しつつも、関係者への事情聴取や指導について不十分だった。法律の認識不足により関係機関との連携に遅れが生じた」とした。町教委も通報を怠り、対応が不十分と認定した。
母親は校長に「口外しないですよね」などと口止めされたと訴えていた。この点について、県教委は校長が母親に知人に相談しても構わないなどとも伝えていたとし、隠蔽(いんぺい)には当たらないと判断した。ただし、校長の発言のニュアンスから、口止めと受け取られても仕方なかったともした。【加藤栄】
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