フランスの約2億4700万年前の地層から見つかった化石に基づく新種爬虫(はちゅう)類の想像図。背中に羽毛の扇のような飾りがある(ドイツ・シュツットガルト自然史博物館提供) フランス北東部アルザス地方の約2億4700万年前(三畳紀半ば)の地層から、背中に扇状の飾りのある小さな爬虫(はちゅう)類の化石が見つかった。飾りは羽毛のようなものが連なってできているのが特徴。羽毛のような枝分かれはないが、鳥類の出現より1億年近く古い時代に羽毛のようなものが進化していたことになる。
ドイツのシュツットガルト自然史博物館などの国際研究チームが新属新種に分類し、24日、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。鳥類や小型恐竜の羽毛の役割は飛行や保温などと考えられるが、この爬虫類の場合は同種の仲間にアピールするためだった可能性が高いという。
化石は人の手のひらサイズで、まだ成長途中だったとみられ、細長い頭骨の長さが1.7センチ、扇状の飾りの高さが5.1センチ。口先を木の穴やくぼみに入れ、虫などを食べていたようだ。
1930年代に化石愛好家が見つけたコレクションの一つで、2019年に同博物館が管理することになり、分析が進んだ。学名は「素晴らしい爬虫類」を意味するラテン語や化石愛好家の名前から「ミラサウラ・グラウボゲリ」と名付けられた。
最古の鳥類はドイツで約1億5000万年前(ジュラ紀後期)の化石が発見された始祖鳥とされるが、中国ではそれよりやや古い、羽毛が生えた小型恐竜の化石が見つかっている。

フランスの約2億4700万年前の地層から見つかった新種の爬虫(はちゅう)類化石。背中に羽毛の扇のような飾りがある(ドイツ・シュツットガルト自然史博物館提供)