「震災思い出す」「今後どうなる」=避難住民、不安と緊張―津波警報の太平洋側

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2025年07月30日 12:18  時事通信社

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時事通信社

ロシア・カムチャツカ半島付近の大地震で津波警報が発表され、神奈川県鎌倉市の議場に避難する人たち=30日午前
 各地に津波警報が発表された30日、2011年の東日本大震災で甚大な被害が出た太平洋側の沿岸部では、避難した住民から「震災を思い出す」「今後どうなるか分からない」といった不安の声が聞かれた。

 最大1メートル30センチの津波が到達した岩手県久慈市。指定避難所の宿泊施設「久慈グランドホテル」には、約40人が集まった。宿泊客への注意喚起や避難者の対応に当たった男性従業員(32)は「特に高齢者が多く、みんな不安そうだ。東日本大震災を思い出させる」と心配そうに語った。

 宮城県石巻市の石巻中央公民館には、住民約30人が身を寄せた。佐々木康男館長(59)は「職員は皆、緊張感を持って対応している」と落ち着いた様子。避難者は津波情報が次々に更新されるテレビ画面を不安そうに見詰めていたという。

 沿岸部の海水浴場でも避難が呼び掛けられた。同県南三陸町の「サンオーレそではま海水浴場」には、津波注意報が発表された午前8時半ごろ、約30人の海水浴客がいたが、防災無線などに応じて全員が避難し、すぐに閉鎖された。

 仙台市の「深沼海水浴場」では、開場準備に当たっていた運営スタッフやライフセーバーら約10人が、注意報を受け海岸に誰もいないことを確認して高台に避難した。責任者の50代男性は「津波の到着予測時間まで時間があり冷静に対応できた」と振り返った。

 30センチの津波を観測した北海道釧路市の50代自営業の女性は避難区域外に住んでいるが、テレビを注視して状況を見守った。「近くのガソリンスタンドや店が閉まっており、今後どういう状況になるのか分からない」と緊張した様子で話した。 
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